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「夜間頻尿」知っておきたい3つの"傾向と対策" 40歳以上の66.7%もの人が悩まされている

東洋経済オンライン / 2024年11月9日 19時0分

睡眠には「深い眠り(ノンレム睡眠)」と「浅い眠り(レム睡眠)」の2種類の状態があります。ノンレム睡眠とレム睡眠は交互に現れるもので、7時間眠るとしたら、ひと晩の眠りのなかでノンレム・レムのサイクルが4~5回くり返されます。

最低3時間は眠らないと、1サイクルは回りません。トイレのために何度も起きる人は1サイクルを確保できないので、睡眠の質が落ち、寝不足状態になるのです。

夜間頻尿に悩む人の数が多いのは、原因が2つも3つも重なりがちだからです。主な原因は、次のようなことです。

原因①加齢により「夜は尿を作らせないホルモン」が減る

本来なら夜間の尿量は、日中の尿量に比べると極端に少ないのです。睡眠中には「抗利尿ホルモン」という「尿を作らせない物質」が分泌されて、腎臓から出る水分量が抑制されるからです。

ざっくり言うと1日の3分の1は寝ているので、抗利尿ホルモンの働きがなければ、夜に1日の3分の1に当たる量の尿が出ることになります。1日の尿量が1500mlなら夜に500ml出る計算ですが、そんなに出るなら睡眠中に1~2回は起きるでしょう。起きなくて済むのは、抗利尿ホルモンが出ているからです。

夜の尿量は、どれくらいでしょうか。夜、トイレに行くのであれば、そのときに出た量を測って、それを1日の尿量で割り算すると、「夜間尿量率」がわかります。これが33%以上あると、「夜間多尿」です。

実は、若いときには就寝中にたくさん分泌されていた「抗利尿ホルモン」も、加齢とともに減っていきます。そのため、夜に作られる尿量が増えるのです。この「抗利尿ホルモン分泌の低下」による夜間多尿が、夜間頻尿の原因になるわけです。

なお、就寝前の「水やアルコールの飲みすぎ」も、夜間多尿の原因になります。さらに「糖尿病、高血圧、心不全などの病気がある」ことも、原因の1つになります。

加齢で低下する、ふくらはぎの「ポンプ機能」

原因②下半身にたまった水分が、うまく排出されない

「足のむくみ」があるなら、それが夜間多尿につながっている可能性があります。本来、ふくらはぎには心臓と同じような"ポンプ作用"があります。ポンプ作用により、下半身の水分が上半身に戻され、水分は体内を循環するのです。

ところが運動不足や加齢で、ふくらはぎのポンプ機能が落ちることがあります。すると、体を起こしている昼間に、本来は尿として排出されるはずの水分が下半身にたまったままになります。そして夜、体を横たえると、たまった水分が上半身に戻ってくるため、心臓が「水分が余っている」と判断して、それが尿になってしまうのです。

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