1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. ライフ総合

「夜間頻尿」知っておきたい3つの"傾向と対策" 40歳以上の66.7%もの人が悩まされている

東洋経済オンライン / 2024年11月9日 19時0分

特に出産した女性や妊娠中の女性は、リンパ液や血液の流れが悪くなるので、この現象が起きやすくなります。

原因③「睡眠時無呼吸症候群」の可能性

睡眠障害のなかで最も注意すべきは「睡眠時無呼吸症候群」です。ほうっておくと心不全、狭心症、心筋梗塞、脳卒中、腎不全、ED(勃起障害)などの病気を誘発することもあります。実は、夜中に3~4回目が覚めてトイレに行くのは睡眠時無呼吸症候群の典型的な症状でもあります。

夜間頻尿は、ほうっておくとやっかいな症状ですが、ほとんどはよくなります。具体的な対策としては、水分のとりすぎを避け、水分摂取のタイミングを適切にすること、足のむくみを取ることなどの生活改善が有効です。

ただし、夜間頻尿の原因が、高血圧などの持病にあることもあります。ごくまれですが、抗利尿ホルモンの作用システムが壊れて、夜に薄い尿がたくさん出る病気もあります。また、生まれつき抗利尿ホルモンの分泌が悪い病気もあります。セルフケアで改善しない場合、このようなケースも考えられるので、泌尿器科を受診してください。

女性に多い「腹圧性尿失禁」

物を持ったとき、咳やくしゃみをしたとき、笑ったとき。このような、お腹に力が入ったときに起こる尿もれは「腹圧性尿失禁」と呼ばれます。

主な原因は2つ、「尿道括約筋の衰え」と「骨盤底筋の緩み」です。腹圧性尿失禁が現れるのは、ほとんど女性です。女性は尿道が短く、出口まですぐなので、少しお腹に力が入っただけで尿が出やすいからです。特に、

・40歳以上

・肥満ぎみ

・2回以上の経腟分娩の経験がある

こんな女性に、よく出る症状です。

尿道を締めている「尿道括約筋」が「腹圧」に負けてこじ開けられてしまい、尿がもれ出やすいのです。尿道括約筋の「括」の字は、「くくる」とも読みます。加齢や出産などによって、文字どおり「括る力」が弱まってしまった尿道括約筋は、尿道を締めることが難しくなり、少しの腹圧にも負けてしまいます。

しかも、骨盤底筋が緩んでくると膀胱や尿道が下がってきて、骨盤底筋は尿道をしっかり支えられなくなります。そうなると、尿道はグラグラして、うまく閉じることができません。

腹圧性尿失禁には、骨盤底筋トレーニングと減量が有効です。骨盤底筋がしっかりしていれば、腹圧がかかるのと同じタイミングで、尿道を閉鎖させる尿道括約筋の圧が上がります。ですから腹圧に負けて、尿がもれ出ることはありません。骨盤底筋が鍛えられれば、尿道括約筋の締める力も戻ってきて、尿道を閉じることができるようになります。

膀胱に腹圧がかかり続けていると、それだけで膀胱や内臓が骨盤のほうに下がることがあります。骨盤底筋トレーニングは、それに抵抗することにもなります。

なお、肥満体だと、少しの振動でも膀胱が圧迫されます。運動やダイエットで脂肪を減らすことができれば、お腹が膀胱を圧迫することがなくなります。お腹の重さで骨盤底筋に負担がかかり、骨盤底筋を緩ませることも防げます。

髙橋 悟:日本大学医学部泌尿器科学系泌尿器科学分野主任教授

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください