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チームのメンバーがすぐに打ち解ける会話のコツ 帰属意識を高めるために最初の顔合わせが重要

東洋経済オンライン / 2024年11月9日 18時0分

一方で強固な文化のチームは、新メンバーを迎える初日を、心理的安全性と帰属意識を確立するチャンスとして活用する。そのときに有効な「PALSメソッド」を紹介しよう。

PALSとは、「Personalized Welcome(相手に合わせた歓迎)」「Artifact(人工物)」「Lunch with the Team(チームとのランチ)」「Solo Meeting with Manager(マネジャーとの個別ミーティング)」の頭文字だ。

1.相手に合わせた歓迎(Personalized Welcome)

新メンバーは温かい歓迎を受け、オフィスに足を踏み入れたときに(あるいはリモートで働いているならログインしたときに)、自分の名前が書かれた「ようこそ」というメッセージを目にする。そして今後いろいろと助けになってくれる案内役のメンバーに紹介される。

アップルでは、リーダーから新メンバーに手紙が渡される

※たとえばアップルでは、新メンバーは初日にチームリーダーから手紙を受け取ることになっている。手紙の内容の一部を紹介しよう。

「安定を求めてここに来る人はいない。アップルで働く人は、みなプールの深い場所で泳ぐことを求めている。何か意義のある仕事をしたいと思っている。何か大きなこと、ここでしか起こらない何かだ。アップルへようこそ」

またピクサーでは、初日の新メンバーを本社の講堂につれていく習慣がある。新メンバーはそこで、リーダーからこんな言葉をかけられる。

「以前はどんな仕事をしていようとも、今のあなたは映画作家だ。私たちは、よりよい映画をつくるためにあなたの力を必要としている」

2.人工物(Artifact)

新メンバーは歓迎のしるしを受け取る(リモートワークならメールで)。それは1冊の本かもしれないし、チームリーダーからの歓迎の言葉かもしれないし、おそろいのTシャツのような衣類かもしれないし、チームの仕事を象徴するような何かかもしれない(農業機械メーカーのディア・アンド・カンパニーでは、会社が初めて特許を取得した耕運機のミニチュアを新メンバーに贈る習慣がある)。「これから何か特別なことが始まる」というメッセージを伝えるようなものだ。

3.チームとのランチ(Lunch with the Team)

新メンバーが、数人の既存メンバーとランチを共にする。仕事の話をするためではなく、新メンバーが他のメンバーのことを個人的に知り、チームに溶け込めるようにするためだ。

リモートで働いているなら、バーチャルのランチ会や、バーチャルの仕事終わりの飲み会などがいいだろう(費用が会社持ちならなおよい)。

4.マネジャーとの個別ミーティング(Solo Meeting with Manager)

ここでの目的は、短時間の顔合わせでお互いをよく知り、緊張をほぐすことだ。マイクロソフトの研究によると、入社してすぐにマネジャーと個別ミーティングをした人は、より強固なネットワークを築き、より強い帰属意識を持ち、定着率も高いという。

以上が、初対面の相手にも心理的安全性を提供するためのいくつかの方法だ。強固なチームづくりの参考になれば幸いだ。

ダニエル・コイル:作家

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