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脳科学で実証、潜在能力を引き出す"魔法の4文字" 仲間を肯定し、信頼関係を生むポジティブ言葉

東洋経済オンライン / 2024年11月9日 16時30分

子どもに接するときも「そうだね」「そうなんだ」と言ってあげると、自分が認められたように感じて、うれしくなります。「そうだね」とか「なるほど」という言葉は、子どもを育てるときの合言葉にもなります。

もう1つ注目していただきたい脳の特徴があります。それは「同期発火」です。

テレビや映画で、人が悲しんだり喜んだりしている様子を見て、自分も同じような感情になったことがありませんか? このように、自分の脳が相手の発する情報に反応してシンクロするときなどに起こる現象を「同期発火」といいます。

これを初めて教えたアスリートは、競泳の北島康介選手でした。

どんなに強い相手でも「自分だったら勝てる」と思えば、同期発火が起きて肉薄できる可能性が高まる。逆に「勝てるかどうかわからない」と考えて闘っていたら、確実に負ける。彼にはそう教えました。

北島選手には、後半加速のリズムを教え、不調を脱していたのであまり心配していませんでした。

パリ五輪で競泳チームに生じた問題

2024年のパリオリンピックでは、競泳チームはあまり力を発揮できませんでした。コーチ制度が進化し、個々の選手別に異なるコーチをつけました。

一見、科学的な方法と思われがちですが、仲間になりたいという人間が求める本能に反するため、監督も口出しできなくなり、日本人が弱いフィジカルに原因を求めがちになります。

体はそれほど大きくなくても、アメリカのレデッキー選手はオリンピックの競泳女子自由形で、これまでに金メダルを9個もとっています。

彼女の泳ぎは、脳が疲れない4ビートのキックで、ザリガニのような姿勢で、胸の前のベストポジションで水をとらえ、軽くローリングしながら、前に突き進む、非常に美しい泳ぎ方です。

競泳では、体の前胸部のどこで水をとらえるかが、センチメートル単位で区別するかが、非常に大切なのです。仲間になりたい本能に従って、全員でチームの泳ぎを検証し、理にかなった美しい泳ぎ方を発見することが望ましいのです。

ときには、3秒ごとにプールに飛び込みチームメイトの背中に乗る、馬乗り大会もチームづくりや記録伸ばしに役立ちます。

「そうだね」というチームメイトの脳に入る言葉は、相手と闘う競技の場合にも効果を発揮します。

馬場美香さんが卓球女子日本代表の監督だったときの話ですが、「53年間、中国に勝てていないんです」と言われました。それを聞いて、私は即座にこう返しました。

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