セブンの「リベンジドーナツ」、実は副産物だった? 7年ぶりの挑戦の裏には意外なドラマがあった
東洋経済オンライン / 2024年11月9日 7時40分
販売は好調だ。9月には導入済みの約5000店舗で1日平均25個を売り上げた。現在は販売店舗数を広げる中で、工場への負担を抑えるために販促を控えている状況で、まだ伸びしろがありそうだ。
今年3月に「次世代商品部」が発足
一方、会社全体に目を向けると、セブンは苦戦が続く。2024年3~8月期の平均日販は69.9万円で、前年同期比0.2万円減となった。
額ではローソンとファミリーマート(ともに日販57.3万円)を圧倒するが、両社が増収傾向を維持する中、セブンはマイナスだ。セブン‐イレブン・ジャパンの永松文彦社長は「(節約志向の高まりという)変化への対応に半年ほど遅れてしまった」と語る。
この反省のもと、セブンは足元で価格を重視したキャンペーンを広げている。低価格のおにぎりの導入や弁当を値下げし、値頃感のある商品に「うれしい値」というPOPをつけるものだ。このキャンペーンは本格始動した9月以降、少なくとも半年以上は続け、長期の取り組みになる見通しだ。
そこで懸念されるのが粗利率だ。低価格の商品が増えて粗利率が低下すれば、粗利益を分け合うFC加盟店と本部の双方に影響が生じる。この点、高い利益率を誇るファストフードの強化は重要な課題だ。実際、ドーナツは9月の実績で日販にプラス0.4%、粗利率でもプラス0.2%の貢献があった。
セブンは今年、商品本部の傘下に次世代商品部を新設し、ファストフードを中心に新たな商品開発に本腰を入れている。
足元では一部店舗に小型オーブンを設置し、焼きたてのピザやメロンパンを提供する取り組みを進める。こちらも同じ生地系の商品だ。
将来的に、セブンはドーナツやカレーパンなどを合わせた「出来たてパン」のカテゴリーを打ち出し、消費者に訴求する考えだ。「出来たてパン類は加盟店の利益を上げられる重要な商材。急いで拡大を進めていく」と米田氏は語る。
カレーパンの大ヒットから生まれたセブンの「リベンジドーナツ」。10年にわたる生地系商品の開発はまだ終わらない。今後もヒットを狙った出来たて商品が続々とカウンターに並びそうだ。
冨永 望:東洋経済 記者
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