近鉄16000系、南大阪線・吉野線「最古参特急」の今 「吉野特急」の元祖として観光と通勤両面で活躍
東洋経済オンライン / 2024年11月9日 6時30分
近畿日本鉄道・南大阪線の特急は、「あべのハルカス」の足元にあるターミナル、大阪阿部野橋から奈良の橿原神宮前を経て吉野線に直通し、飛鳥や吉野などの観光地を結んでいる。
【写真60枚を一挙公開】近鉄南大阪線・吉野線に登場した当時の16000系。それから60年近く経ち、いまなお残る編成の貴重な姿を車両基地で独占取材
近鉄のフラッグシップ「ひのとり」や「アーバンライナー」といった名阪特急、大阪・京都・名古屋の都市圏と伊勢志摩などを結ぶ観光特急が走る路線は軌間(線路の幅)が新幹線と同じ1435mmの標準軌。一方、南大阪線系統は軌間1067 mmでJR在来線と同じ狭軌の路線だ。
南大阪線・吉野線の特急車両
沿線外から見ると、古くからの桜の名所として知られる吉野山への観光路線のイメージが強いが、大阪南部に広がるベッドタウンの通勤通学の足としての役割が大きい。南大阪線の起点、大阪阿部野橋は近鉄全線で最も利用者が多い駅だ。南大阪線・吉野線を直通する「吉野特急」は通勤・帰宅時間帯の着席需要も取り込んでいる。
大阪阿部野橋―吉野間を走る特急車両は意外にバラエティに富んでいる。中でもクラシックな外観が存在感を放っているのが1965年に登場した最古参の16000系だ。
【写真】近鉄南大阪線・吉野線に登場した当時の16000系。それから60年近く経ち、いまなお残る編成の貴重な姿を車両基地で独占取材(60枚)
吉野特急の車両の代表格としては、まず26000系「さくらライナー」が挙げられる。大きな窓が特徴で、乗務員室後部に展望スペースを設置した。特急料金のほかに特別車両料金が必要な「デラックス車両」が1編成に1両用意されていて、3列のゆったりした座席が楽しめる。
また、2016年デビューの16200系「青の交響曲(シンフォニー)」は3両編成の通勤車両を改造した観光特急で、専属アテンダントが乗車する。車内はカーペットにソファのような座席を並べ高級感を演出。2号車は「ラウンジ車両」でバーカウンターやライブラリーを備えた。ほかに16400系「ACE(エー・シー・イー)」、16600系「Ace(エース)」が活躍する。
1960年、元伊勢電気鉄道のモハニ231形を改造した車両で1日1往復の快速「かもしか」が運行を開始し、翌年に料金不要の特急として2往復走るようになった。そこに新型有料特急車両として投入されたのが16000系だった。
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