「夫に会えず寂しい」新妻が54歳夫にぞっこんの訳 人生モテ続けた元ホステスが選んだ"意外性"
東洋経済オンライン / 2024年11月10日 12時30分
関西地方のターミナル駅近くにあるドトールに来ている。待ち合わせは朝9時。少し早めに着いて窓側の席を確保して待っていると、明るい色に染めたショートボブの女性がやってきた。今回の取材先である野島美幸さん(仮名、45歳)だ。
「陽があたって暑いので奥の席に移ってもいいですか」
言いたいことはすぐにはっきり言うタイプのようだ。化粧、服装、ネイルなどは華やかめで、堅めの業界にいる事務職とは思えない。京都出身の美幸さんは19歳のときから祇園のクラブでホステスをしていたという。
「男の人を見る目が肥えてしまった」
「お客さんから『君はこんなところで何をしているんだ。昼の仕事をやりなさい』と言われてホステスをやめてアパレル店員になりました。そのお客さんとしばらく付き合っていたのは内緒です(笑)。27歳のときに父の商売がうまくいかなくなり、実家が競売にかかって一人で生きていく決意ができました。大阪に出てデパートで働きながら一人暮らしをしましたが、仕事用の洋服代もかかるしお酒も好きなのでお金が足りません。夜は副業でホステスをしていました。新地のクラブです」
仕事も遊びも楽しく、恋愛どころじゃない忙しさだったという美幸さん。副業先のクラブで知り合う客は成功した経営者が多く、「男の人を見る目が肥えてしまった」とも振り返る。
「当時の私と同い年ぐらいの普通の男性とは人生の経験値が違いますからね。何よりも中身が素晴らしい人が多かったです」
美幸さんは33歳のときから客の一人と付き合うようになった。相手は16歳年上の経営者で既婚者である。いわゆる愛人だったのだろうか。
「愛人の定義を知りませんが、私には本業があったので毎月決まった金額をもらったりはしていません。ときどき生活費を助けてもらっていましたけど」
そんな関係が長く続いたが、美幸さんは次第に「将来のこと」を考える時間が増えるようになった。このまま一人で生きていて、最後は老人ホームに入れるだろうか、などだ。膝に水がたまるようになって立ち仕事がつらくなり、今の会社に転職した。39歳にして初めての事務職である。
“真面目を絵にかいたような”夫との出会い
転職後も「社長さん」との交際は続いていたが、2021年に変化が起きる。現在の夫である武史さん(仮名、54歳)が東京からの転勤で関西支社にやってきたのだ。武史さんは元公務員で、真面目を絵にかいたような人物。美幸さんの「上司のさらに上司」にあたる。
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