身寄りなし76歳が「孤独死」を覚悟した凄絶背景 単身世帯4割、誰もが「孤独難民」になりうる
東洋経済オンライン / 2024年11月10日 8時0分
康夫は5年前、突然病に倒れ、今も後遺症に苦しむ。高齢の母以外には、遠方に暮らす親戚しか血縁者がいない。「同世代の家族が欲しいという思いがあった」と言う。
そして、一度も会ったことのない妹を捜し始めた。幼少期に母親と離婚した父親には、再婚相手との間に娘がいることを知っていたからだ。司法書士に依頼し、妹の名前を知ることができたが、居場所までは突き止められなかった。
キャサリンから友達申請が来たのは、妹捜しを諦めたときだった。康夫は「美人なので下心もあったが、孤児として生きてきた女性を助けてあげたいという気持ちもあった」と振り返る。病を機に膨らんだ孤独感に付け込まれた形だ。
家族がいないのは自己責任ではない
冒頭の芳子も康夫も、頼れる家族がいないのは本人たちの責任だろうか。単身世帯が4割に迫り、家族ありきの社会システムはすでに限界を迎えている。このまま社会から孤絶する人々を放置していいのか。前出の鎌村さんは言う。
「家族がいないのは自己責任ではない。家族がいなくても、その人らしく生きられる仕組みが必要だ」
井艸 恵美:東洋経済 記者
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
夫に先立たれ、年金「月6万円」に減額…途方にくれる「80歳女性」のもとへ、年金機構から届いた「緑色の封筒」
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年11月21日 17時45分
-
老いた母を一人にしておけない…年金14万円・82歳の母親を老人ホームに入居させるも、半年後知る〈まさかの惨状〉。老母がついた「優しい嘘」に54歳長男が涙したワケ【FPの助言】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年11月18日 11時15分
-
「ゴミ屋敷で孤独死寸前のケースも」遺品整理業者が教える“おひとりさま女性”の悲惨な末路
週刊女性PRIME / 2024年11月18日 8時0分
-
散乱した部屋に亡き妻の骨壺残し… 街にあふれる「孤独死予備軍」 「薄縁」時代㊥
産経ニュース / 2024年11月10日 12時0分
-
精神的に限界「関わり断ちたい」 子供が望んだ〝家族じまい〟の内実 「薄縁」時代㊤
産経ニュース / 2024年11月9日 12時0分
ランキング
-
1クシュタールの会長「セブン&アイとの統合で小売業のチャンピオンに」…敵対的買収は「考えていない」
読売新聞 / 2024年11月22日 9時5分
-
2ジャパネット2代目に聞く「地方企業の生きる道」 通販に次ぐ柱としてスポーツ・地域創生に注力
東洋経済オンライン / 2024年11月22日 8時0分
-
3クリスマスケーキに異変…『卵』の価格高騰止まらず 夏の猛暑の影響で今後は鳥インフルエンザによる卵不足の恐れも
東海テレビ / 2024年11月21日 21時22分
-
4「観光客が土下座強要?」に見るFENDIの反省点 インバウンド対応を迫られる各企業が今すべきこと
東洋経済オンライン / 2024年11月22日 9時0分
-
5一番人気の「かつ重」は300円未満! スーパー・トライアルが物価高時代に「安さ」で勝負できるワケ
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年11月22日 6時10分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください