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企業の役員に「サイコパス」が多いという衝撃事実 役員室に「スーツを着たヘビ」がはびこる理由

東洋経済オンライン / 2024年11月11日 12時0分

一方、精神病質が強い人は、そのせいで将来のキャリアが損なわれるようだった。おそらく、うまく溶け込めずに「しくじった」サイコパスや自制心のないサイコパスが足を引っ張っていたのだろう。

衝動的で攻撃的で、暴力的でさえある自分の行動をうまく管理できないサイコパスは、職場でその報いを受けることを示す証拠がたしかにある。上司に向かってわめき散らしたり、冷水器を殴りつけたりしても、昇進につながるはずがない。

それに、およそ利口とは言えないサイコパスも当然ながらいる。だが、ダークトライアドの特性は、単独で存在しているわけではないことが多い。

3つの特性が協調して作用すると、精神病質を形成するうちでもとりわけ破壊的な要素のいくつかは、効果が鈍るばかりか、強みに変わることさえありうる。

役員室に収まっているサイコパスは知能が高く、他者を支配しようとするなかで、自らを律する術(すべ)を身につけたのだ。

そこで、職場における精神病質の専門家として世界でも指折りの3人であるポール・バビアクとクレイグ・ニューマンとロバート・ヘアは、企業の階級制の上層部に、ダークトライアドが多少見られるだろうか、と考えた。

彼らは、7社の管理職200人以上を調べた。これらの人々は全員、幹部養成――企業の階級制の上層に昇進させるための訓練プログラム――のために企業に選抜された点が共通していた。

バビアクらの発見のうちには、少しも意外ではないものもあった。調査対象の圧倒的多数は、最高点が40点の精神病質チェックリストで、0点か1点か2点しか取らなかった(テッド・バンディは39点だった)。

バビアクらはこのチェックリストに、精神病質の調査でよく使われる2つの境界を定めた。22点前後かそれ以上なら、サイコパスの「可能性あり」、あるいはサイコパスになる「潜在性あり」で、30点を超えると、間違いなくサイコパスだった。

幹部になるための訓練を受けている200人超の管理職のうち12人、つまり6%弱が最初の境界に達した。だが、この調査参加者の約4%に当たる、なんと8人が30点を上回った。33点の人が1人、34点の人も1人いた。

刑務所に入っている男性犯罪者の平均は? 22点だ。

企業の幹部はサイコパスの割合が高い

たしかに、200人余りのたった1枚のスナップショットでは、企業の世界の典型とは必ずしも言えない(それに、参加者は全員アメリカ人だったので、文化的な偏りがある)。

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