企業の役員に「サイコパス」が多いという衝撃事実 役員室に「スーツを着たヘビ」がはびこる理由
東洋経済オンライン / 2024年11月11日 12時0分
それでも、民間部門のリーダーシップの片鱗(へんりん)がそこには窺われるので、穏やかならぬものがある。精神病質に関して社会全体のサンプル調査をすると、500人に約1人が、サイコパスの境界である30点を超える。企業の管理職志望者を対象としたある調査では、その割合は25人に1人だった。
この結果は例外かもしれないが、この調査からは、人口全体と比べて企業の幹部では、サイコパスの割合が約20倍にもなることが見て取れる(100人に1人がサイコパスであることを示す調査もあり、その場合には、人口全体と比べて、企業幹部ではサイコパスの割合が5倍となる)。
そして、ここがいちばん興味深いのだが、25点を超えた9人のうち、「2人がヴァイスプレジデント、2人が取締役、2人が部長かそれに匹敵する地位、1人がその他の管理職だった」点だ。
サンプル中のサイコパスたちは、たんに上層部までたどり着こうとしていただけではなかった。すでにそれを成し遂げていたのだった。
これはおそらく、ただの偶然ではないだろう。ダークトライアドの特性には、2つの効果があるのかもしれない。そのような腐敗しやすい人々に権力を渇望させるが、それとともに、権力を手に入れるのを得意にさせることも可能なのだ。
そして、それはけっきょく、冷酷な利己主義にレーザー光線のように的を絞る能力に尽きるのかもしれない。
(翻訳:柴田裕之)
ブライアン・クラース:ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドン准教授
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