玉木氏「不倫報道」も無傷?国民民主が大躍進の訳 政党優先より政策優先、卓越したバランス感覚だ
東洋経済オンライン / 2024年11月11日 18時40分
先日の衆議院選挙で大きく議席数を伸ばした国民民主党。11日には、玉木雄一郎代表に関する不倫報道が写真週刊誌に掲載(同日に会見を実施し、事実関係をおおむね認める)されるなど、色んな意味でニュースの中心となっています。
イメージ低下につながることもある不倫ですが、玉木氏の場合は、ネットを見る限り声援のほうが多い状況です。なぜ、国民民主党は躍進したのでしょうか。新著『人生は心の持ち方で変えられる? 〈自己啓発文化〉の深層を解く』も話題の評論家、真鍋厚氏が解説します。
国民民主党が台風の目になっている。
【画像4枚】動画内にて、「ハニートラップを防げるか?」について語る玉木氏
衆議院選挙で選挙前の4倍にあたる28議席(小選挙区11議席、比例代表17議席)を確保し、比例代表の党派別得票数では、公明党や日本維新の会を抜いて617万票を獲得し、前回の2.4倍になった。少数与党に転落した自民党と公明党の命運を左右するバイプレーヤーになりつつある。
国民民主党の躍進は、直接的には、これまであまり重視されていなかった生活実感に根差した「実現が比較的困難ではない政策」を前面に打ち出したことが大きいが、国民の側に軸足を置きつつも、露骨な対立図式を作らないという「ソフトなポピュリズム」路線のポジショニングが好評を得ているからだと思われる。
ポピュリズムには2種類ある
政治学者の水島治郎は、ポピュリズムには2つの定義があるとし、「固定的な支持基盤を超え、幅広く国民に直接訴える」タイプと、「『人民』の立場から既成政治やエリートを批判する政治運動」タイプを挙げている(『ポピュリズムとは何か 民主主義の敵か、改革の希望か』中公新書)。
前者は、近年では2017年の希望の党やそれに端を発した枝野フィーバーによる立憲民主党の躍進など、後者は、れいわ新選組、参政党、日本保守党などの台頭が当てはまる。
後者のポピュリズムは、具体的には、自らが「人民」を直接代表すると主張して正統化し、広く支持の獲得を試みる、「人民」重視の裏返しとしてのエリート批判、「カリスマ的リーダー」の存在、イデオロギーにおける「薄さ」に特徴がある(前掲書)。
これらを踏まえると、国民民主党は、SNSなどを効果的に駆使し、国民の代弁者として「手取りを増やす」政策を中心に掲げ、その政策の中身について懐疑的だったり、歪めた解釈を行なったりするメディアや政党などを手厳しく批判している点において、前者だけでなく後者のポピュリズムの要素もいくつか兼ね備えているように見える。イデオロギー色も薄い。ただし、党首のカリスマ性があまりない部分だけが異なっている。
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