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「老害」にならないための"脳トレ"は45歳からやる 鍛え続けて「老害脳」の進行を遅らせるのがカギ

東洋経済オンライン / 2024年11月12日 7時0分

40代や50代から脳のトレーニングを意識して行うと、将来「老害脳」になるリスクを減らせそうです(写真:Mills / PIXTA)

前記事や前々記事では、問題化している「老害」の事例などについてお伝えしました。このような「老害」的な行動の多くは、脳機能の変化によって引き起こされている、と1万人以上の脳を診断した医師・加藤俊徳さんは説明。加齢とともに誰もが「老害脳」化するリスクがある、といいます。では「老害」脳にならないため、できることはあるでしょうか? 加藤さんの著書『老害脳 最新の脳科学でわかった「老害」になる人 ならない人』から一部を抜粋してお伝えします。

【3本シリーズでお届けしています】
1記事目:脳科学者が語る「誰もが"老害"になる」悲しき必然
2記事目:不覚にも組織で再生産される「老害」の"怖い"実態

脳の中年期は45〜75歳、老化のスピードには個人差も

人間は、身体と同様、脳も加齢とともに確実に老いていきます。

【画像】69歳でも老化が進んでいる様子がわかる脳の画像

ただし、一般的な中年期、老年期という認識と、脳科学者として私が認識している脳の中年期、老年期には、ややズレがあります。身体的な衰えとは違い、脳の老化を判断する指標はすなわち記憶する仕組みにトラブルが起きているかどうかなのです。

極端に言えば、記憶が苦手で本人にも改善の意欲がない20代と、もともと記憶が得意でかくしゃくとしている70代なら、むしろ70代の高齢者のほうが脳が老化していない、という状況も起こり得ます。判断の指標を、注意不足や物忘れの頻度と置き換えても同様です。

一方で、一般的に中年になったと考えられる年齢はどのあたりでしょうか? 35歳だとさすがにまだ早すぎるかもしれませんが、40歳なら、本人も周辺の人も、もう中年だと答えるでしょう。

また、何歳からが高齢者なのかという議論は、全体的な高齢化の進行や社会制度の移り変わりとともに、だんだん上方に修正されつつあるのが現状です。

かつてなら55歳で定年退職、還暦を迎えれば完全に高齢者と認識されたでしょうが、現在では定年も65歳、さらには70歳となっていく中で、60代で働いている人はむしろ当たり前になりました。

私自身もその一人ですが、自分自身が脳も身体も高齢者だという認識は全くありません。ちなみに、先日計測した私の骨年齢は20代前半のままです。

公的年金の支給が原則65歳から、後期高齢者医療制度への加入が75歳から、というあたりが、現時点における社会的な高齢者の線引きなのかもしれません。

脳の中年期の入口は45歳ごろ

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