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怒り、悲しみ…「悪い感情」を押し殺す人の危険 心理学者が提案!「絵文字ゲーム」で感情を育てる

東洋経済オンライン / 2024年11月12日 13時30分

(写真:Mills/PIXTA)

人間関係の些細なすれ違い、職場での小さなトラブル、子供の頃や学生時代の苦い思い出……「えっ、そんなことで?」と思うような出来事が、実はあなたの人生に重大な影響を与えているかもしれません。イギリスの心理学者メグ・アロールの著書『なぜか「なんとなく生きづらい」の正体』(野中香方子訳)は、近年、心理学や臨床心理の領域で注目され始めた“小さな心の傷”=「スモール・トラウマ」とその対処法に光を当て、世界40カ国以上で刊行される超話題書となっています。同書より、「スモール・トラウマ」が引き起こす「感情」にまつわる問題への対処法を、一部抜粋・編集のうえご紹介します。

感情バイオーム─重要なのは多様性

感情リテラシーの低さが当たり前になっているのは嘆かわしいことです。なぜなら私たちは、さまざまな感情を経験し表現する必要があり、さらに言えば、「感情を感じる」ことを率直に「良いこと」として受け入れる必要があるからです。

【画像でわかる】感情を表す語彙

ここで、感情と腸内細菌叢(マイクロバイオーム)を比較してみましょう。近年では、誰もが腸内細菌叢に心を奪われ、プロバイオティクスやキムチや多種多様な発酵食品を腸内細菌に食べさせています(そうした情報を読んでも、しぶとくチョコレート・バーにかじりついている人もいますが)。研究者や科学者やテレビのドキュメンタリー番組は、自家製のケフィアやザワークラウトをたくさん食べると、腸内のシステムが多様で有益な微生物で満たされる、と語ります。腸内の微生物が私たちを必要とするのと同等に、私たちはこれらの微生物を必要としているのです。

また、かつては、腸内に「善玉菌」と「悪玉菌」がいると言われていましたが、現在では、腸内に悪いものはいないことがわかっています。それどころか、私たちの腸内の小宇宙では善玉菌と悪玉菌がバランスを保っていて、その秩序が乱れると、健康上の問題が生じるのです。感情の小宇宙(これを私は「感情バイオーム」と呼びます)もそれとほぼ同じで、あらゆる感情を経験することで感情バイオームに栄養を与え、善い感情と悪い感情が調和して生きられるようにしなければなりません。

感情の色は、あなたが塗った色で決まります。元彼からのメールは赤々とした苛だちを引き起こすかもしれませんが、この赤い感情が明るく輝いていることに気づくことは有益です。怒り、羨望、悲しみ──いずれも悪い感情と見なされてきましたが、すべて正常で本質的な感情であり、無視したり、押し殺したりするのは危険です。実のところ、不快な感情は有益で、何に耳を傾けるべきかを教えてくれるのです。

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