進化する「ヒューマノイド」産業現場で労働開始へ テスラBMWなど大手が相次ぎ実用化に動く
東洋経済オンライン / 2024年11月12日 8時30分
マスク氏によると、Optimusは2025年初頭までに小規模な生産を開始し、同年末までに数千台をテスラの工場に配備する計画だという。そして2026年までには生産量を大きく増加させ外部の顧客にも提供することで、普及への道を開くとともに、高価な部品のコストダウンも進めることを目指しているという。マスク氏の言うスケジュールは数年単位で遅れるのが通例だが、いつか実現してほしい話だ。
Boston Dynamics『Atlas』
Boston Dynamicsが開発してきたAtlasは、その運動能力において、ヒューマノイドの頂点に立っていると言っても過言ではない。敏捷性、機動性が非常に高く、何かにぶつかったりつまずいたりしても瞬時に体勢を立て直すことができるうえ、プログラムされた動作ながらパルクールや後方宙返り、ジャズダンスなどをこなす身軽さを備えている。
Boston Dynamicsは、もともとは米国防高等研究計画局(DARPA)による防衛計画の一環としてロボットの開発を手がけていた。自動車では到達できないような悪路での物資運搬のために、内燃機関と油圧で動作する四足歩行ロボットなどを開発していた。
Atlasも、人と同じように二足歩行でさまざまな作業を行えるように考慮されている、そして誰かにぶつかったり、突き飛ばされたりしても、自らしっかりと身体のバランスをとり、起立状態を維持できる。
なお、油圧式のAtlasは2024年はじめに開発を終了しており、現在は電動アクチュエーターを採用する2代目Atlasの開発が行われている。完全電動モデルへの移行は、Atlasの進化において極めて重要な進展だ。新設計となった新型Atlasは、深度センサーとリアルタイム知覚技術で周囲環境を認識する能力を備え、各関節に人間を超える可動域を持たせることで、地面に横たわった状態から誰の手も借りずに立ち上がることも可能になった。
先日公開された、新型Atlasの新たな動画では、自動車のエンジンカバーの部品を入荷用のコンテナから取り出しては、スリット状になった受け入れ用のコンパートメントに移し替える作業が紹介されている。この動画において、Atlasはすべて自律的に動作していると紹介されている。
製造業や物流現場で活躍
Agility Robotics『Digit』
オレゴン州立大学からのスピンオフ・ベンチャー企業であるAgility Roboticsは、自動化が困難で人間の作業に頼らざるをえない製造業や物流の現場でのタスク実行を可能とすることを目指して、Digitと呼ばれるヒューマノイドを開発している。
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