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進化する「ヒューマノイド」産業現場で労働開始へ テスラBMWなど大手が相次ぎ実用化に動く

東洋経済オンライン / 2024年11月12日 8時30分

Apolloは、人への負担が高い反復作業だけでなく、あらゆる作業で安全性を保ちながら適応できるように開発が続けられている。

人間のような豊かな表情を実現

Engineered Arts『Ameca』

英のEngineered Artsが開発するAmecaは、人の仕事を代わりにこなすのではなく、人間とふれ合うロボットの実現を目指している。

特筆すべきはその豊かな表情だ。Amecaには先に紹介してきたような産業用ヒューマノイドとは異なり、顔がある。そして、唇に12個、顎に2個、眼に4個、まぶたに4個、眉毛に4個、鼻に1個を含む、合計32個のアクチュエーターを使った高度な表情機能により、人間のようにスムーズで本物のような感情をその顔で表現できる。さらにOpenAIのChatGPTを利用した会話機能も追加されている。

もちろん、ロボットに感情があるわけではないが、人とのインタラクションを考えれば、相手に顔がないよりは、にっこりと微笑みかけてくれるほうが親近感もあり、コミュニケーションも円滑になるはずだ。Amecaは現在、表情や視線などに重点を置いて開発が続けられている。腕などを備えたバージョンも以前は公開されていたが、いまは胸像のような状態だ。

なお、Engineered Artsは最近、女性顔のAmecaのパートナーとなる男性顔のAziを開発した、そしてこの2体を並べて、夫婦漫才的なやり取りをするようすを公開している。

Clone Robotics『Torso』

ポーランドのスタートアップ・ロボティクス企業Clone Roboticsは先日、真っ白な姿がSFドラマ『ウエストワールド』に出てくる、ホストと呼ばれるロボットを彷彿するヒューマノイドTorsoを公開した。

Torsoの大きな特徴は、その運動機能のしくみを人間の生物学的な構造の模倣によって構築しているところだ。人間のような背骨と骨盤にしっかりとした胸郭、さらに腕や頭部が取り付けられており、それらは電動ポンプと弁を使ったハイドロリックシステム(液体圧)による人工筋肉および腱によって稼働する。

これはこの記事で紹介してきた他のヒューマノイドとは根本的に異なる手法だが、完成度を高めていけば、最終的に人間と同等の動きや繊細な動作ができるようになると考えられる。

アパレル業界などで衣類のディスプレイに使われるトルソーは胴体だけだが、このTorsoには頭部や腕も装備されている。ただ、腕の開発はまだ十分ではなく「両手を動かすトレーニングは進行中だ」とClone Roboticsは述べている。

人の役に立つヒューマノイドを目指して

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