楽天の「無人配送ロボット」都心で本格稼働開始 スタバや牛丼店と組み30分以内で配送へ
東洋経済オンライン / 2024年11月12日 10時30分
赤い小型ロボットが歩道を速歩きの速度で進む。横断歩道に差し掛かると一時停止し、信号を確認して歩行者と同じように横断する。楽天グループが11月6日に東京都内で開始した無人配送サービス「楽天無人配送」の風景だ。
【写真で見る】配送ロボットの内部は大半が保管庫となっており、スーパーや牛丼屋の店員が商品を詰め込める
配送先はオフィスや公園など62箇所
展開エリアは東京都中央区の晴海地区。東京オリンピックの選手村が転用された「晴海フラッグ」など高層マンションが立ち並び、住民1万4000戸超の大規模な商圏を抱える地域だ。
楽天無人配送はスマートフォンの専用サイトから注文すると、自動配送ロボットが指定の場所まで商品を届けるサービスとなっている。スターバックスコーヒー、スーパーマーケット文化堂、吉野家の3店舗と提携し、温かい料理や生鮮食品を含む5300品以上を取り扱う。配送先はマンションやオフィス、公園など62カ所の指定された場所となっている。
利用者は専用サイトで最短30分後から最長6日先までの配達時間を15分単位で指定できる。ロボットが到着すると自動音声電話とSMSで通知され、暗証番号を入力して商品を受け取る。配送料は100円(税込み)に設定されている。
8月下旬から実施していたテストサービスでは、「商品が早く欲しいときに便利」「ロボットに愛着を感じた」といった利用者の声が寄せられているという。
法改正を活かした完全無人配送
本サービスの特徴は、人による随行なしでの完全無人配送にある。楽天は2019年から実証実験を続けてきた。2022年11月から2023年12月にかけてはつくば市で1年以上にわたり、毎日の配送サービスを実施。3000戸を対象に、実際の住民への配送実績を重ねてきた。
今回は実証実験ではなく「サービス」として展開する。これまでの実証実験では監視者が随行していたが、今回は完全に無人で運行する。「多くの実証実験を重ねて安全性を確認してきました。今回はその経験を活かし、本格的な商用サービスとして、より多くのお客様の日常生活をサポートしていきたい」と楽天グループの牛嶋裕之無人ソリューション事業部ヴァイスジェネラルマネージャーは意気込む。
背景には、道路交通法の改正がある。2023年4月の改正で、「遠隔操作型小型車」という新しい車両区分が設けられ、一定の安全基準を満たせば公道での走行が可能となった。
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