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「草ぼうぼうの太陽光パネル」各地に出現の危うさ 太陽光発電設備の周辺の下草に引火した事例も

東洋経済オンライン / 2024年11月12日 20時0分

草木が生い茂った山の斜面のメガソーラー、埼玉県内で10月25日に撮影(撮影:河野博子)

なぜか、「草ぼうぼうの太陽光発電設備」があちこちに出現している。長かった酷暑で草木が成長し、管理が追い付かないだけなのか。

【画像でわかる】草木に覆われていたメガソーラー

メガソーラーをめぐり発電事業者と地域住民の紛争が続く各地で人々が懸念しているのが、「固定価格買い取り制度の期間終了後、太陽光パネルが放置されてしまうのではないか」という問題だ。太陽光パネルのリサイクル義務化に向け、政府の検討が急ピッチで進む。地域住民の不安を払拭できるのか。

管理不適切な太陽光発電設備

政府は太陽光発電設備の廃棄・リサイクル制度を新たに作るため、環境、経済産業両省が合同で設けた有識者会議(注)で検討を進めている。2012年にスタートした再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度の買い取り期間終了に伴い、「不用となった太陽光パネルが大量に排出される」事態に備えるためだ。両省の推計では、排出量は2030年代半ばから増え、最大年50万トンにのぼる。

資源エネルギー庁は再生可能エネルギー事業の不適切案件通報窓口を設けている。2024年3月時点の同庁のまとめによると、窓口に寄せられた情報のうち、最も多かったのが、「柵塀が設けられていない」「標識が見当たらない」「維持管理がずさん」「パネルが一部破損したままになっている」などの「適正な事業実施」に関するものだった。

管理が不適切、不十分という問題がそのまま将来の放置、不法投棄につながるわけではない。しかし、その姿を目の当たりにした地域住民の間に、「20年の買い取り期間終了後に適切に廃棄・リサイクルされるのか」という懸念を生んでいる。

注:<中央環境審議会 循環型社会部会 太陽光発電設備リサイクル制度小委員会>と<産業構造審議会 イノベーション・環境分科会資源循環経済小委員会 太陽光発電設備リサイクルワーキンググループ>の合同会議

2024年9月、私はX(旧ツイッター)に投稿された写真を見て驚いた。草木に埋まった状態の太陽光パネルが写っていた。投稿主は首都圏の大学の農業関係の研究者。連絡をとったところ、通りがかりに気になり、道路から撮った写真だそうで、位置情報を教えてくれた。

グーグルマップを見ると、同じ場所を2022年に撮影した写真があった。この時には、草木に覆われていない。やっと秋になった10月下旬、その場所を訪れると、研究者が9月に送ってくれた写真同様、草木に覆われていた。道路に面した敷地には廃車、廃タイヤ、石、木材などが置かれていた。草木の間からかろうじて太陽光パネルが見えた。

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