徹底解説「米国が再びトランプを選んだ」深い理由 日本の繁栄を支えた国際秩序を変える「革命」だ
東洋経済オンライン / 2024年11月12日 7時40分
それを端的に示すのが「アメリカファースト」という言葉だと考えたらどうでしょうか。
トランプは「媒介」の役割を果たしている
——日本人が自明のものとして受け入れている国際秩序が、まさに今大きく変えられようとしている。これはもう本当に日本人にとってもひとごとでない。それだけアメリカで起きている革命的なことを理解しなきゃいけないということだと思います。なぜ、トランプというかなり破天荒な人物がこの革命のシンボルになったのでしょうか。
「なぜこんな人が」と皆さんはさかんに言うんですけれども、一種偶然性みたいなところがあって、あるタイミングで彼が登場してそれがぴったり時流にはまった。彼はビークル(媒介、伝達手段)の役割を果たしていて、そこに人々の期待が乗せられている。
彼自身は別に自分で新しいことを考えたわけではない。(1992年、1996年の大統領選に立候補した)パット・ブキャナンが実質的には1990年ごろからアメリカファーストの主張をしていて、今トランプが言っていることは、ほとんど彼が言っていることをコピーしているわけですね。
彼の中にきっと時流にはまるんじゃないかという直感があったんだと思いますけれども、彼はメディア人としてテレビ番組に出ていたわけで、そういうキャラクターとしての感覚で成功したということですね。
だから、トランプそのものが力を持っているということではなくて、彼がある局面の中で人々の期待、怒り、悲しみ、革命のもとになるような、そういう大きな人々の感情のかたまり、そういうものをうまく乗せる役割を担うことになってしまったということですね。
——トランプ現象の背後にあるものとして、アメリカの分断が言われます。よくメディア上で見るのは左右の分断なんですけれども、実は上下の分断がかなりトランプ現象を招き寄せているのではないかと会田さんは分析されていますね。
これは皆さんにわかりやすくするためにそういうふうに申し上げているのですが、一種の階級闘争みたいなものが起きているわけですよね。まさにトランプは「原因ではなくて結果なんだ」と。
では何の結果なのかというと、アメリカで起きてしまっている、ある意味ですさまじいまでの格差、それによって下に置かれている人々の怒りや、それから何を訴えようが政治に反映されないというどうしようもなさが奥底にある。
今のアメリカは「まともな国ではない」
ジェフ・ベゾス(アマゾン創業者)、ビル・ゲイツ(マイクロソフト創業者)、ウォーレン・バフェット(バークシャー・ハサウェイ会長)の資産の合計は、アメリカの所得の下位50%の資産の合計よりも多い。これは私から言わせるとまともな国ではない。
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