徹底解説「米国が再びトランプを選んだ」深い理由 日本の繁栄を支えた国際秩序を変える「革命」だ
東洋経済オンライン / 2024年11月12日 7時40分
アメリカはもともとそんな国ではなく、平等を求めてきたわけですよね。しかし行き着いた先は、階級社会どころか、封建社会のようなすさまじい形になっている。人々が怒り出さないわけがないわけで、そういう道を先進国全体が歩みつつある。
これはさまざまな指標が示していると思います。そういったものが生み出した一つの結果としてトランプ現象があり、左の側ではサンダース現象が起きているわけですよね。そうすると、何が右で何が左かよくわからなくなってきますね。
この2つのグループは議会の中で協力し合って、人々の平等性を達成するためのさまざまな法案を出したりしています。つぶさにそれを観察していくと、右左と俗に言われるこの2つのポピュリズム現象が、実は一緒になって旧来の体制と戦おうとしている、そういう形が見えてくるわけですね。
——日米関係ではバイデン政権のもとで新たな取り組みをいろいろ始めましたけれども、次のトランプ政権とはどういう向き合い方になるのでしょうか。
IPEF(インド太平洋経済枠組み、TPPを脱退したアメリカが主導する経済圏構想)のようなものは終わっちゃうでしょうね。日本の官僚たちも「何をやろうとしているの、あれ」みたいな状況でしたから。まったく意味がないというわけではなかったと思いますけれども、たぶんトランプ政権ではすぐ「そんなものは要らない」ということになります。
(バイデン政権がつくった)一部のものは消えていくでしょうし、必要なものは残るでしょう。関税の問題への対応なんかは、選挙モードが終わって統治モードに入ったときにかなり違ってくるんです。
摩擦が起きないものから手を付けていく
第1期トランプ政権のときのように、実際に国際的な余計な摩擦を起こすと余計なエネルギーが必要になってきますから、何の摩擦も起きないようなものから順次始めていくでしょう。
IPEFは実際に何も進んでいないから、なくしても実害を受ける人は誰もいない。(前トランプ政権が脱退した)TPPにしてもアメリカはまだ批准もしていなかったわけですから、やめるぞと言ったって、それで実際に関税が上がって困るとかいう問題は起きなかったわけです。
つまり、象徴的にできるものからどんどんやっていくけれども、実際にアメリカに大きな衝撃が来るようなものには、かなり慎重です。あるいはやらないかもしれないですよね。アメリカ経済に大きな被害を与えたら大変なことになるということをトランプはちゃんとわかっていますから。
彼はインフレを否定して大統領になったわけです。どうやってインフレを起こさずに、公約にある関税引き上げをしていけるのか。私は慎重にやっていくだろうと思っています。
動画内ではこのほかにも、「格差拡大の背景」「ハリス氏が負けた必然的理由」「中国、ロシアへの影響」「ウクライナ問題、中東問題への対応」などについて聞いています。
西村 豪太:東洋経済 コラムニスト
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