「片付けられたゴミ屋敷」その1年後の驚く実態【再配信】 「ゴミ屋敷で生まれ育った子」が異常に気づく瞬間
東洋経済オンライン / 2024年11月13日 8時0分
ゴミ山の上に置かれた親からのクリスマスプレゼント。大人になった今では子どもの頃の状況を「異常だった」と理解しているが、ずっと「これが普通」だと思っていた。
本連載では、さまざまな事情を抱え「ゴミ屋敷」となってしまった家に暮らす人たちの“孤独”と、片付けの先に見いだした“希望”に焦点をあてる。
ゴミ屋敷・不用品回収の専門業者「イーブイ」(大阪府)を営み、YouTube「イーブイ片付けチャンネル」で多くの事例を配信する二見文直社長と今回の依頼者が、片付けたゴミ屋敷のその後について語った。
【東洋経済オンラインで2023年10月14日に公開した記事の再配信です】
実家のゴミ屋敷状態が嫌になり18歳で家出
依頼者である30代の女性は、18歳のときに大阪にある実家の散らかり様に嫌気がさし、家出をした。それから13年後、久しぶりに実家に帰ると、当時とは比べものにならないほどに、さらに部屋は荒れていた。
玄関から本当に足の踏み場がない。2階へ登る階段もゴミで埋め尽くされており、その上に生卵が無造作に置かれている。飲みかけのペットボトル、空き缶、洗濯したかどうかもわからない服、調味料、段ボールなどが床一面に散乱していて、生活するスペースがない。洗面台の排水口は詰まり、溜まった灰色の水にゴミが浮いている。奥の和室に入ると、頭の高さまでゴミが積み上がっていた。
その光景を見た女性は、たまらずイーブイに相談のメールを送った。
「まもなく60歳になる母の様子に異変を感じ、業者様への依頼を決意しました。私は結婚を機に大阪を離れており、実家を出て13年くらいになります。実家がゴミ屋敷と主人に言えるはずもなく、結婚のあいさつも実家ではできず、出産の際も里帰りできず、10年近く実家へは立ち入らせてもらえていません。
何かあっても実家に帰れないという事実に、こちらがもう精神的に限界でした。10年近く家を片付けようと母を説得し続けてきました。そのたびにお金がない、仕事が忙しいから時間がない、また今度でいいと断られ続けていました」
今ほどではないが、女性が子どもの頃から実家はゴミ屋敷だった。しかし、「片付けたほうがいいんじゃない?」と親に言うことはできなかった。
「幼少期から何かを机の代わりにして、勉強をしたりご飯を食べたりしていました。キャンプじゃないですけど、それでちょっと楽しかったのはあるんですよ。大掃除のときに家族でちょっと過ごせるスペースを片付けて1畳分ぐらいだけきれいになって。でも、子どもながらに人に言ったらアカンなというのは思っていました」
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