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トランプ再登板で日本人の生活はどう変わるのか 第2次トランプ政権にとって主要な武器の中身

東洋経済オンライン / 2024年11月13日 7時30分

好景気の状態を引き継いで2年程度は好景気を保つことができるかもしれないが、関税を大幅に引き上げることでインフレを招き、金利高になって景気が急速に失速する可能性もある。

「減税」「規制緩和」ともにインフレ要因?

一方、トランプ2の経済政策では「減税」を大きく打ち出していることも忘れられない。1期目の2017年に決めた大型減税は、その一部が2025年末で失効するが、この延長を最優先課題に挙げている。さらに、今回の選挙では法人税率を現状の21%から15%にまで引き下げると公約している。これら減税のコストは10年間で約5兆ドル(約770兆円)と言われており、大型減税は景気を押し上げる可能性が高いが、財政悪化も招く。

さらに、トランプ氏は常々金利をもっと下げるべきだと主張している。中央銀行であるFRBのパウエル議長は、現在は低金利に動いているものの、インフレになればまた金利を上げていくことになる。将来的には、両者の確執が目立つことになりそうだ。どちらにしても、関税、減税、低金利が揃えばインフレが再び猛威を振るう可能性もある。

アメリカ国民の多くは、インフレに嫌気がさして、トランプ氏を選択したのだが、その政策はインフレを誘導する皮肉な結果になりかねない。ちなみに、トランプ氏が強く主張している「移民制限」も、労働力不足を招き賃金上昇が予想されている。インフレ撃退を主張しつつ、その政策はすべてインフレに結びつくものと言っていい。

アメリカ以外の国にとっては、高い関税で大きな打撃を受け、加えてドル高が加速し輸入インフレを招く。日本も当然ながら、トランプ2ではドル高円安に苦しむ可能性が高い。円安は、株式市場などを押し上げるものの、輸入物価やガソリンなどの高騰に苦しむかもしれない。

第2のポイントは「戦争回避できる?できない?」

トランプ2の第2のポイントは、選挙戦で繰り返し公約してきた戦争収束発言だ。ウクライナ戦争を24時間で解決すると約束し、「私が大統領であればロシアはウクライナに侵攻しなかった」が口癖になっている。実際に、前回のトランプ1で主要閣僚を務めたマイク・ポンペイ元国務長官に対して、彼がウクライナ支援の継続を主張しているという理由で、トランプ2への起用はないとSNSに投稿している。

加えて、今回の選挙で焦点になった争点の1つに、バイデン政権のイスラエル支援政策があるが、トランプ氏はもともとイスラエルに強い支持を示しており、現在起きている中東紛争も解決してみせると豪語している。とりわけ、イランに対してはより強硬な姿勢を貫いており、イスラエルとイランが戦闘状態になれば、派兵する可能性もある。

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