トランプ再登板で日本人の生活はどう変わるのか 第2次トランプ政権にとって主要な武器の中身
東洋経済オンライン / 2024年11月13日 7時30分
現在、中東は一触即発の状況に陥っているが、中東に限らず世界では紛争が絶えない。その背景にはロシアやアメリカがいるわけだが、トランプ政権がこれらを収束させられるかどうかは、お手並み拝見としかいいようがない。
日本にとって最も問題な中台紛争も、トランプ氏の発言で台湾侵攻が実現してしまうかもしれない。メキシコの自動車産業に対して200%の関税をかけると主張するトランプ氏の構想も、メキシコに進出している中国の自動車工場がターゲットだが、日本の自動車産業も巻き添えを食って大きなダメージを受ける。トランプ氏が公約した「戦争回避」が実現するのか、それともかえって火に油を注ぐのか……。注視するしかないだろう。
アメリカ頼りの時代に幕
トランプ2によって、日本とアメリカの関係も大きな転機を迎える。条約よりも個別のディールを優先するトランプ氏に対して、石破首相がどこまで個人的な関係を築いてどこまで対応できるかが問われる。
とりわけ、日本に直接的な問題を突きつけそうなのが、ドル高円安に振れてしまうことだ。1ドル=160円以上の超円安が短期的には続くかもしれない。トランプ氏自身は、ドル安を希望しているのだが、ドル安と矛盾する経済政策が多いためにドルが独歩高になりやすい。
仮に円安が進めばインフレが進行するし、円高になれば輸出産業が打撃を受ける。そこに関税10%を課せられれば、日本からアメリカへの貿易は大きな影響を受けることになる。さらに、「日米地位協定」が何らかの形で見直されて、防衛費増大を強制されれば、日本の財政面にも歪みが生じてくる。
ここにきて、国民民主党が主張する「103万円の壁」が注目を集めているが、実現すれば大きな減収の可能性があり、日本政府の財政危機が一気に表面化する恐れだってある。
最後に、最も大きな懸念が、トランプ氏の年齢である。大統領就任時が78歳だから、ほぼバイデン大統領と同じ状況になる。トランプ氏も、80代の大統領になるわけだが、バイデン大統領同様に老いが目立つかもしれない。正しい判断力が今後4年間維持できるのか。バイデン大統領も、アフガンからアメリカ軍を完全撤退させるなど、疑問符の付く判断が多かった。
トランプ2は、上院、下院ともに共和党が多数派を占める「トリプルレッド」の状態で政権をスタートする可能性が高い。言い換えれば、トランプ氏にとっては、前回同様のスタートになるのだが、第1期ではやりたい放題という形にはならなかった。当時は、共和党内部でも共和党本流の正統派が数多く残っており、閣僚人事や法案審議でも、あまり突飛な政策は実現できなかったわけだ。
トランプ政権で日本はどうなっていくのか
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