アフターコロナでの健全な心身の取り戻し方 経験者の知恵をうまく拝借する方法とは何か
東洋経済オンライン / 2024年11月14日 11時0分
今年7月、文部科学省が「日本の小中学生の50.3%が近視」と発表したのに続き、9月には全米科学・工学・医学アカデミー(NASEM)でも「世界的な近視人口の増加を食い止める必要性がある」と発表した。
全米科学アカデミーの発表に先駆けて「近視を病気として分類し、子どもが屋外にいる時間を増やすことで近視を抑制する必要がある」と発信しているのが眼科医の窪田良氏だ。
『近視は病気です』(東洋経済新報社)の著者でもある窪田氏と、国内シェアNo.1の登山GPSアプリの提供をはじめとする登山やアウトドア事業を展開する株式会社ヤマップ代表取締役社長の春山慶彦氏が、「子どもの近視」と自然体験で培われる身体づくりをテーマに6回シリーズで対談する。
第2回では、子どもの近視有病率を高めたコロナ禍から続いている負の環境を、どう打破するかついて語り合う。
室内で過ごす文化のありなしが近視有病率に影響
春山:前回、この40年程度で日本の子どもの近視人口が倍増したというお話がありました。これは世界的な傾向なのでしょうか。
窪田:はい。WHO(世界保健機構)の発表によると、このままでは2050年には世界人口の約半分が近視有病者となるそうです。地域で見ると、やはり東アジアが最も近視有病率が高く、次いで欧米、最も低いのがアフリカとなります。
春山:ここまで東アジアで近視有病率が高いのは、何か理由があるのでしょうか。
窪田:今の学説では、東アジアは室内にいる時間が長いという生活様式を持っているからだと言われています。日本もですが、小さい頃からより長い時間勉強をすることが評価に繋がったり、より多くの習い事やお稽古事をしたりすることが社会に出て活躍できる人材になれると信じられているエリアであることかと思います。
春山:テクノロジーの進化で、屋内が快適な環境になったことも影響しているかもしれませんね。
窪田:私は父親の仕事の関係で、10代の頃アメリカの小学校に転校しました。また、アメリカで起業したので、私の子どもはアメリカで教育を受けたのですが、アメリカは今も昔もアウトドア活動が生活に息づいてますよね。家の中でじっと何かを見続けるよりも、屋外で何か活動しているのが評価される文化だと感じます。
屋内習慣をあえて脱する必要性
窪田:アメリカ文化の根底に開拓者魂が流れているのでしょうか、自分が能動的に活動することで何かを起こす、自分で切り開くことが評価される文化だと思いました。
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