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日本人の9割が足りていない風邪に勝つ栄養素 ビタミンCより重要度の高い栄養素があった

東洋経済オンライン / 2024年11月14日 10時30分

それは「ある栄養素」の不足です。

ある栄養素とは何か、次のヒントから考えてみてください。

・紫外線を浴びる機会が少なくなったことによって不足するようになった

・その栄養素は、日本人の8~9割が足りない

おわかりの方もいらっしゃるでしょう。その栄養素とは「ビタミンD」です。

ビタミンDが不足すると免疫力が低下し、風邪・インフルエンザ、その他の感染症にかかりやすくなってしまうのです。

風邪と言えば「ビタミンC」を思いつく人も多いでしょう。

確かにビタミンCは免疫力を強化する働きがありますが、ビタミンDは感染症予防に関する働きを認識していない人が多く、実際に不足している場合が多いので、ずっと重要性が高いと考えられます。

かつてビタミンDは「骨の健康維持に役立つ」とされる程度で、どちらかというと地味な存在でした。ところが近年、ビタミンDは免疫力アップ、がんの発症や再発リスクを下げる、アルツハイマーの予防、花粉症・アレルギーの症状を改善するなど、私たちの体にとって非常に重要な働きをしていることがわかってきました。

世界中を震撼させた新型コロナウイルスの感染が拡大した際にも、大きな注目を集めました。ビタミンDが欠乏すると新型コロナウイルスの発症リスクや重症化リスクが増すという論文が世界中で多数発表されています。 

ではビタミンDは感染症に対してどんな働きがあるのでしょう。

私たちの体にはウイルスや細菌が入ってきたときの防御作用が備わっています。そのひとつが粘膜上にある「抗菌ペプチド」という物質。これはウイルスや菌が入ってきたときにやっつける働きをしています。ビタミンDはこの抗菌ペプチドを作りだす働きがあるのです。

またビタミンDは免疫細胞を活性化する作用があります。免疫細胞が元気になれば体の中に入ってしまったウイルスや細菌をやっつけることができます。

日本人のほとんどが不足しているビタミンD

ところがこれほど大事な栄養素であるビタミンDが、日本人のほとんどに不足しているというショッキングな報告があります。

東京慈恵会医科大学が2023年に発表した調査(The Journal of Nutrition 誌 Volume 153, Issue 4, p1253)によれば日本人の98%がビタミンD不足に該当しているそうです。他のさまざまなデータでも日本人のビタミンD不足が明らかになっています。

ビタミンDは食事から取れるほか、日光を浴びることによって体内で生成されます。ですから紫外線が弱まる秋から冬にかけてはどうしても不足がちになる=風邪・インフルエンザにかかりやすくなってしまうのです。

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