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大学入試の多様化進む「一般と総合型」何が違う? 求められる「三要素」を理解しミスマッチを防ぐ

東洋経済オンライン / 2024年11月14日 8時20分

【募集定員】各大学の入学定員に基づいて募集が行われる。

(2)総合型選抜

【目的】志願者の能力や意欲、学問に対する適性を多角的に評価し、志願者の主体的な学びの姿勢や目的意識を重視した選抜を行うことを目的とする。

【概要】総合型選抜は、公募制であり、志願者本人の意志で出願するものであることから志願者の記載する資料(活動報告書や志望理由書、学修計画書等)を活用し、詳細な書類審査や時間をかけた面接によって、志願者の能力、意欲、適性等を多面的、総合的に評価・判定する選抜方式。

【評価方法】目的意識や学習意欲だけでなく、大学で学ぶために必要な基礎学力も適切に評価される。そのため、少なくとも大学入学共通テストまたは小論文等、プレゼンテーション、口頭試問、実技、各教科・科目に係るテスト、資格・検定試験の成績等の評価方法のうちいずれかを必ず活用することを義務づけられている。

【日程】出願は9月1日以降、合格発表は11月1日以降。

【募集定員】定員は大学が定めるが、学校推薦型のような定員の割合などの制限はない。

(3)学校推薦型選抜

【目的】志願者の高校での学習や活動の成果、学習意欲を評価し、大学での学習に対する適応力を備えた人材を選抜することを目的とする。

【概要】学校推薦型選抜は、出身高等学校の校長からの推薦に基づき、調査書を主に志願者の適性や意欲を評価する選抜方式。

推薦書の中に、学習歴や活動歴を踏まえた「学力の三要素」に関する評価や生徒の努力を要する点などその後の指導に配慮を要するものがあれば記載を求める。

【評価方法】調査書や推薦書の内容だけでなく、大学で必要な基礎学力も併せて評価される。少なくとも大学入学共通テストまたは小論文等、プレゼンテーション、口頭試問、実技、各教科・科目に係るテスト、資格・検定試験の成績等の評価方法のうちいずれかを必ず活用することを義務づけられている。

【日程】出願は11月1日以降、合格発表は12月1日以降、一般選抜試験の10日前まで(共通テストを利用する場合は前日までのなるべく早い期日)。

【募集定員】学部ごとの入学定員の50%以下に制限されている(短期大学を除く)。

特性を理解すれば見えてくる

上記をまとめると、総合型選抜は志願者の目的意識や学習意欲を重視し、書類や面接での評価が中心。また、高度な専門分野に特化した学部では、その分野に対する志願者の適性も重視される。

これに対して一般選抜は、学力検査を基盤とするため、知識・技能の精度と量、活用を重視。他の選抜方法と異なり、志願者の学力を中心に評価が行われ、各大学の特色を反映した多面的な評価尺度が用いられる。

学校推薦型選抜は総合型選抜に似ていると思われるかもしれないが、校長からの推薦に基づき、調査書や推薦書の記載内容が重要な評価材料となる点が異なる。一般選抜とは異なり、高校での学習や活動履歴を重視した多角的な評価が行われる。

こうして、整理して比較すると、それぞれの特性がはっきりとしてくる。大学が受験生になにを求めて選抜試験を行っているかがよくわかるのではないか。こうした基本的なまとめをすることで、真偽不明な「ウワサ話」に右往左往することはなくなるだろう。

次回以降は、こうした基本的な選抜試験に対する認識をもとに、「総合型選抜」を深掘りしたい。また、現行の学習指導要領から導入され、総合型選抜と相性がよいと言われる「探究学習」の在り方に関しても併せて考えていきたい。

後藤 健夫:教育ジャーナリスト

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