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子どもの「人間力」を高めるための親の3つの行動 「人間力」こそが成功や幸福を支える土台である

東洋経済オンライン / 2024年11月14日 7時30分

3. 利他的な行動をとる

親が他者を思いやる姿勢を見せることも、子どもの人間力の育成には欠かせません。そもそも親はすでに、子どもに対して見返りを期待しない利他的な行動をしているかもしれませんが、重要なことはそれが「義務」で行うのではなく、相手の喜びを自分の喜びと感じる姿勢であるとなおさらよいと思います。それを子どもに感じさせるには、例えば、困っている人に手を差し伸べるとき、「相手の笑顔を見ると私もうれしい」と伝えることで、利他的行動が義務ではなく、双方の喜びにつながることを示していくとよいと思います。

子どもへの教え方の工夫

この3つの行動を子どもに直接教える際には、状況や方法に工夫が必要です。例えば、子どもが他者を差別するような発言をしたり、利己的な行動をとったりする場面では、すぐに咎めるのではなく、まずはその行動の意味を一緒に考える時間を持つことが大切です。問いかけを通じて子どもの心に「他者を大切にすることの大切さ」をしみこませていくのです。幼少期には絵本や昔話を通じて教える方法も効果的で、成長に応じて日常の出来事や社会のニュースなどを話題にしてもよいでしょう。

子どもが親の期待する答えを返してこなくても、「なるほど、そういう考え方もあるね」と肯定的に受け止めてあげることも大切です。こうしたやりとりを積み重ねることで、子どもは親との信頼関係を築き、自分の考えを自由に表現できるようになります。

注意点

以上、3つの行動についてお話ししてきましたが、注意点があります。この注意点を留意されながら実践してみてください。

1. 完璧を目指さない

子育てにおいて、完璧に行おうとするのは無理があります。70%くらいできたら自分にOK出ししてみてください。それが難しければ、50%を超えているなら御の字と捉えても問題ありません。

2. 焦らないこと

子どもは一朝一夕で成長するわけではありません。人間力が育まれるには時間が必要です。焦らず、ゆっくりとした成長を見守ってください。

3. 状況に応じた対応

子どもにとって適切な選択は、状況に応じて変わるものです。例えば、困った人を助けることは大切ですが、危険な人であると感じた場合には距離を置く必要があります。また、優しさは大切ですが、時には強さが必要な場面もあります。優しさに付け込んで嫌がらせをする他者がいないとも限らないからです。

こうしたケース・バイ・ケースの判断力も、人間力を育む一環として教えていくとよいでしょう。

子どもの「人間力」つまり「大切にできる力」を育てるために親ができることは、「人を差別しないこと」「言葉を大切にすること」「利他的な行動をとること」という3つの行動に集約できると考えています。

これらは日常生活で実践できる小さな行動ですが、積み重ねることで子どもの心に深く根付き、良心を育むことができます。

そして、焦らずじっくりと子どもを見守り、完璧を目指さずに取り組むことで、子どもは自然と他者を思いやり、社会と調和を保ちながら生きていく「人間力」を身につけていくでしょう。

石田 勝紀:教育デザインラボ代表理事、教育評論家

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