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「こんな上司に悩みなんて言えない」上司の2特徴 部下に「本音を話してもらえない」悲しい現実

東洋経済オンライン / 2024年11月14日 7時50分

こういうタイプの人は頭の回転が速い人が多く、それが故にせっかちで相手が話し終えるのを待てずに話し始めるのです。こういった話の聞き方をされると、相手は「この人は自分の気持ちをわかってくれない」と感じます。

そこで、部下の方にJ氏の印象についてヒアリングしたところ、案の定、「ワンマンで一方的」「まともに話を聞いてくれない」「自分の気持ちをわかってくれない」「悩みがあっても相談できない」といった答えが返ってきました。

一方、J氏に「部下の話は聞くようにしていますか」と質問すると、「定期的に面談の機会を設けてるので、部下の話は聞いてますよ」と話されました。

J氏は部下の話を聞けていないことに気付かないままマネジメントをし、部下は悩みをJ氏に相談できずに抱え込み、それが離職率の高さにつながっていました。

態度を改めさせる指摘の仕方

そこで部下の方たちの名前は伏せたうえで、ヒアリング内容をJ氏にフィードバックしました。J氏は「なるほど、なるほど」と言いながらも、ショックを隠せない様子でした。

そして、「Jさんは頭の回転がかなり速い人だと思います。だからこそ会話のペースが速くなり、相手の話をさえぎって話すので、共感が疎かになりやすい。それだけ頭がいい人ですから、ペースを相手に合わせて、話をさえぎらず、共感しながら聞くこともできるはず。ぜひそうしてください」とお伝えしました。

こういった指導をする際は、相手のプライドを傷つけないことが重要です。プライドを傷つけてしまうと相手は心を閉ざし、言い訳するなどして言うことを聞こうとしなくなります。

そこでJ氏には、「頭の回転が速い」という点を強調し、優れた人であることを前提として、だからこそ話の聞き方も改められるはず、とお伝えました。

その結果、J氏は私の提案を受け入れてくれました。以降、私も継続的にモニタリングすることで部下に対する関わり方が変わり、離職率も下がりました。

部下から本音を話せてもらえていないことに気付かない上司は少なくありません。そういう上司による面談や1on1は意味を持ちません。

そういった状況に陥らないように、普段の話の聞き方に留意していただければと思います。

藤田 耕司:経営心理士、税理士、心理カウンセラー

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