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南海本線の「要衝」泉佐野、知らない間に駅前一変 関空への乗り換え拠点、東と西で異なる表情

東洋経済オンライン / 2024年11月14日 6時30分

南海電気鉄道の泉佐野駅東口。駅の出入り口は2023年9月に開業したホテルの建物をくぐった向こう側(記者撮影)

南海電気鉄道の南海本線は大阪の難波と和歌山県の和歌山市を結ぶ。大阪市中心部への通勤通学の足として毎日多くの人に利用されている。自由席車両と座席指定車両を連結した特急「サザン」が活躍し、一部は和歌山港線に乗り入れて、徳島行きの南海フェリーに連絡する。

【写真を見る】地上駅舎と地下駅舎時代の白黒写真。高架化工事中の地上ホームと特急「ラピート」の貴重な姿。最近また変貌した駅の様子。関係者以外は入れない駅の地下空間には何がある?

南海本線にはもう1つの大きな役割がある。途中から分かれる空港線は連絡橋で海を渡り、関西国際空港(関空)に乗り入れる。難波から直通する“レトロフューチャー”の外観が外国人観光客にも人気の特急「ラピート」のほか、特急券の要らない空港急行が走っていて、日本を出入国する旅行客の足を担っている。

南海本線の中間地点

分岐駅となる泉佐野は難波からの営業キロが34km。南海本線64.2kmのほぼ中間地点にある「要衝」といえる。空港線で関西空港駅へは約10分の好立地だ。所在地の泉佐野は人口9万9325人(2024年10月末時点)。関空は泉佐野のほか、泉南市、泉南郡田尻町の住所がある。

【写真】地上駅舎と地下駅舎時代、高架化工事中の地上ホームと特急「ラピート」の貴重な姿。最近また大変貌した駅前風景。関係者以外は入れない駅の地下空間には何がある?

泉佐野市内に所在する南海本線の駅はほかに鶴原、井原里(いはらのさと)、羽倉崎。井原里の近辺には商業施設「いこらも~る泉佐野」(旧ショッパーズモール泉佐野)がある。

また、空港線唯一の途中駅、JRと共同使用するりんくうタウン駅周辺は巨大な「りんくうプレミアム・アウトレット」「りんくうプレジャータウン シークル」のほか、複数のホテルが建ち並ぶ。大阪公立大学のキャンパスや航空保安大学校、大型病院も置かれた副都心となっている。

泉佐野駅は南海電鉄の前身、南海鉄道が堺駅から延伸した1897年10月に開業した。当時の駅名は「佐野駅」だった。難波―堺間は南海鉄道のさらに前身、阪堺鉄道が1885年12月に開通させた。このことから南海電鉄は現存する“日本最古の私鉄”と位置づけられる。

1948年、市制施行で泉佐野市が誕生した際に現駅名に改称。1965年10月に地下駅舎となった。空港線が開業したのは1994年6月のことだ。その後、2002年5月に上りホーム、2005年11月に下りホームが高架となった。

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