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「半年で辞めてしまった仕事」も無意味ではない 大切なのは「過去」をきちんと意味づけすること

東洋経済オンライン / 2024年11月15日 15時0分

こういう話をすると、自分と同じような人はゴロゴロいるし、自分の過去には何の価値もないと思い込んでしまう人がいますが、そんなことはありません。あなたとまったく同じ人生を歩んで、まったく同じことに悩んだり乗り越えたりしてきた人など、あなたの他に1人としていないのです。

私はこれまでに、たくさんの人に自分のストーリーを聞かせてもらいました。履歴書のようにまとめてしまうと似通ってしまうこともありますが、1人ひとりの歩んできたストーリーはまったく違うものだとわかります。

あなたもぜひ、「朝ドラ」のように自分のストーリーを思い出してみてください。どんなことがあって、誰と出会い、何を思って、なぜ今、働いているのか。主人公はあなたです。「自分語り」は他人にすると嫌がられそうですが、自分で振り返るだけなら誰にも迷惑はかけません。あなたがこれまでやってきたことをすべて肯定することが第一歩です。

今はまだ、後悔なく働いていくためのプロセスの最中にいる。こう考えられれば、次の一歩を踏み出す勇気が出るのではないでしょうか。

「失敗をしたことがない」と断言する松下幸之助

「経営の神様」と呼ばれた、松下電器産業(現パナソニック株式会社)の創業者である松下幸之助は、「自分は失敗をしたことがない」と断言をしています。

「意の如く、事が運ばないことを失敗というのなら、それは今までにずいぶんあった。しかし、私はいつも禍転じて福とするようにしているので、その意味では失敗をしたことはない」

また、「失敗したところで止めるから失敗になる。成功するところまで続ければ成功になる」という言葉も、名言として知られていますね。

物事には失敗は付きものですから、多少の失敗であきらめるのではなく、その経験を次に活かして成功するまでやり抜け、という意味です。実は、発明王トーマス・エジソンも、同じような言葉を残しています。

「失敗ではない。うまくいかない1万通りの方法を発見したのだ」

エジソンは電球を発明するまでに、数千種類ものフィラメントを試したといわれています。ようやく納得のいく品質が実現できたのは、日本の竹だったというのは有名な話です。「失敗は積極的にしていきたい。なぜなら、それは成功と同じくらい貴重だからだ。失敗がなければ、何が最適なのかわからないだろう」とも語っています。

日本語では「失敗は成功のもと」、英語でも「Failure is the mother of success. (失敗は成功の母)」と、ほぼ同じようなことわざがありますから、これは人類共通の真理だといえるでしょう。

最近よく使われる言葉に「自己肯定感」というものがあります。自分自身を肯定的に評価したり満足したりする感覚、あるいは、自分自身の価値や存在意義を肯定できる感情のことです。

他人と比較するのではなく、ありのままの自分を認め、尊重し、自分自身に価値があると感じることができる心の状態を指します。自己肯定感が高いと、失敗を恐れずにいろんなことにチャレンジする意欲が湧き、他人に対しても寛容になれるといいます。そんな人のまわりには多くの人が集まり、良好な関係を築いていくことができるわけです。

「心理的成功」とは自己肯定感を上げることでもあり、自己肯定感が高まることで、心理的成功を感じやすくなるともいえます。

有山 徹:一般社団法人プロティアン・キャリア協会代表理事

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