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生後12日で長期入院も「RSウイルス」の本当の怖さ 免疫力ない乳幼児はワクチン・予防薬で対応を

東洋経済オンライン / 2024年11月15日 10時0分

RSウイルス感染症は、生後1歳までに半数以上の子どもが、2歳までにほぼすべての人が感染することで発症する、ありふれた病気だ。

症状の経過については、以下の図がわかりやすい。

ウイルスに感染してから4〜5日間の潜伏期間を経て、初期症状として咳、鼻水、熱(38〜39℃くらい)などが2〜3日続く。そのあと、強い咳や喘鳴(ゼーゼーする)、顔色や唇の色が悪くなるといった症状が4〜5日表れてから、徐々に回復していく(※外部配信先では閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください)。

ウイルスには何度も感染するが、大人や小学生以上の子どもの場合は少しずつ免疫をつけていくため、かかっても多くが軽症ですみ、ほとんどは自然に治ってしまう。

症状があって病院で診てもらったとしても、ウイルスを特定する抗原検査は基礎疾患のない1歳以上では健康保険が使えず自費になるため、また特定する意義が少ないため、“単なる風邪”として扱われて終わりだ。

一方で、乳幼児や、持病のあるハイリスク児(下の表を参照)にとってRSウイルス感染症は、重症化しやすい怖い病気だ。重症化すると肺炎を起こしたり、急性脳症といった重い合併症をもたらしたりする。ぜんそくなどの後遺症が残ることもある。

年間2万人の乳幼児が入院している

「乳幼児の2〜3%はRSウイルス感染症が原因で入院しているという報告もあります。2〜3%というと少なく思えるかもしれませんが、1年間に日本で生まれる赤ちゃん約80万人のうちの1万6000人から2万4000人が入院するという計算です」(峯さん)

RSウイルスは飛沫感染や接触感染でうつるが、ほかのウイルスに比べて感染力や増殖力が強く、通常は3〜8日ほど感染力が持続する。さらに免疫力の低い子どもや高齢者の場合は、症状が消えてからも1〜3週間も感染力が持続することもあるという。

また、RSウイルス感染症は確定診断ができないこともあって、出席停止扱いにならず、原則的には高熱などの急性期症状がなければ保育園や幼稚園などに行くことができる。

「そのため、保育園や幼稚園、学校、病院、入院病棟、児童養護施設、老人ホームなどで集団感染につながりやすく、家庭内でも感染が広がりやすい」と峯さん。

予防法としては手洗いのほか、RSウイルスが流行しているときは人の出入りが多い場所へ行かない、風邪を引いている人との接触をできるだけ控えるといったことが挙げられるが、感染力の強さを考えると、完全に予防するのは不可能に近い。

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