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CX-80「魂動デザインと少し違う」と言われる訳 ヒントは海外向け「CX-9/CX-90」との関係性に

東洋経済オンライン / 2024年11月16日 9時0分

CX-8は世界的にヒットした「CX-5」の流れを汲んでいて、ドアなどに入れたキャラクターラインと、上端のラインをクーペのようにカーブさせたサイドウインドウにより、魂動デザインを感じるフォルムだった。

これに対して海外向けモデルのCX-9は、前後のフェンダーの張り出しこそ目立つものの、サイドパネルはあっさりしていて、サイドウインドウ上端のスロープも控えめだ。このスタイルがCX-90にも受け継がれ、CX-80も同じ路線になったと考えている。

3120mmという長いホイールベースのわりに前後のオーバーハングが短いことは、たしかに目立つ。しかし、オフロードの走破性も考慮するSUVでは、オーバーハングを短くするのが定石であり、SUVとして見れば違和感はない。

そんな中でちょっと気になるのは、3列目の乗り降りを考慮したがゆえに長めとなったリアドアと、リアオーバーハングの短さとの対比だ。

ノーズの造形も、CX-80とCX-8とでは、かなり違う。CX-8はノーズが先端に向けて緩やかに下がっており、ボディサイズのわりに軽快な雰囲気を見せていた。

対照的にCX-80はCX-60と同様、顔に厚みがあり、フードは水平に近い。これは、パワートレインのレイアウトを考えれば、仕方がなかったと言える。

CX-80とCX-60のパワートレインは同じで、3.3リッター直列6気筒ディーゼルターボエンジンとそのマイルドハイブリッド版、2.5リッター直列4気筒ガソリンのプラグインハイブリッド仕様がある。いずれもエンジンを縦置きし、後輪あるいは4輪を駆動する。

直列6気筒エンジンは、縦に長い。ゆえにノーズの先端を低くしたり、丸みをつけて軽快にスポーティに見せたりするのは難しい。

むしろ、マツダの国内フラッグシップなのだから、厚みのある重厚な顔つきにしたほうが、このサイズのSUVを買う人には理解されそうだし、直列6気筒エンジンを積んでいることをアピールする造形にもなるだろう。

個人的には、ボリュームのあるノーズとCX-5に近いキャビンまわりを融合させたようなCX-60に違和感を覚えるほど。CX-80のスクエアで装飾の少ないキャビンのほうが、スムーズにつながっていると思えるのだ。

とはいえ、ボディサイドはサイドシルからリアフェンダーにかけて、斜めに立ち上がるラインが控えめに仕込まれており、サイドウインドウを囲むモールをリアクォーターで太くしたことと合わせて、後輪まわりに力感を与えている。とりわけ後者は、書道の筆づかいをも思わせる、日本らしいデザインだといえるだろう。

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