1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. 経済

徹底解説!トランプ政権下で「為替」はどう動くか 日本にとって一番の懸念は「自動車への追加関税」

東洋経済オンライン / 2024年11月16日 8時0分

トランプ氏が言うとエキセントリックな情報発信に見えますが、それと同じことをフランスやイギリス、ドイツが言う分にはあまり騒がない。それはオブラートに包んでいる言い方をしているからだと思います。

日本も対日直接投資を喚起する政策に力を入れ始めている。トランプ氏になってアゲンスト(逆風)には違いないですけれども、アゲンストなのは今のバイデン氏でも同じで、そこから変わらないと思ったほうがいいですね。

――トランプ政権下においては160円を突破するような円安に動くイメージなのか、今のような150円前後あたりなのか、あるいは投機的な取引が増えている話もありましたので、急速な巻き戻しで140円くらいまで一時的には円高にいくのか、予想レンジを教えてください。

今言われた数字は全部ありえて、この1年で全部踏むと思います。そうすると予想のレンジとしては広すぎるという話になるんですけども、でも現実にそうなんだから仕方がないというのが私の思っているところです。

今、日本の貿易赤字は縮小傾向にあって、経常収支は拡大傾向にあるので実需の円売りはあまりないわけです。トランプ政権下では金利が上がっていくはず、高止まりするはずだということで、投機的な円売りがどんどん積み上がっている。ですので、160円にいくときにはおそらく投機主導だと思います。

一方、投機主導で積み上がった円売りが巻き戻されたときに何が起こったか? 8月初頭に一気に141円台まで動いて、日経平均が大きく下がったわけですよね。

だから、これから140〜160円台ぐらいのレンジでの取り引きは全然あると思います。私は本(『弱い円の正体 仮面の黒字国・日本』)も出しているので、円安って言ったのに円高になったじゃないかとかって8月に言われてたんですけども、変動為替相場なので、そうなることは当然ある。

「140円を円高と呼びますか?」というのが私の問題提起なんです。これは130円になっても同じことを言うと思いますが、この円安自体は110円から始まっているわけで、110円から160円までいった円安をすべて日米金利差だけで説明するのはさすがに思考停止じゃないですかと思います。

なので、本来的には日本は今、外貨が取りにくくなっているという話を中心に、円相場のことを考えてあげたほうがいい。

日本はこの10年、円高を経験していない

——コロナ以前にあった100〜110円に戻るというのはありえないという見方でしょうか。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください