たかがニキビで「救急搬送」女子大生を襲った悲劇 抗菌薬で生じた"アナフィラキシー"の顛末とは
東洋経済オンライン / 2024年11月17日 12時0分
医者からもらったニキビの薬を服用後、全身のかゆみや吐き気に襲われた20代の女性。救急車を呼ぶことを決意し救急で治療を受けるまでの、緊迫の約4時間のできごとを振り返る――。
女性の名前を飯島早苗さん(仮名)としよう。
【表でわかる】日本でアナフィラキシーショックで亡くなる人はこれだけいる
早苗さんは関東近郊に住む大学4年生。両親と暮らしている。今回は早苗さんが、薬によるアナフィラキシー症状で苦しんだ、貴重な経験を紹介したい。
早苗さんに起きた異変
早苗さんに異変が起きたのは、7月のことだった。
その日は時々ひどくなるニキビを診てもらおうと、午前中に近隣の皮膚科を受診。そこでミノサイクリンという抗菌薬(飲み薬)を処方してもらった。
本連載では、「『これくらいの症状ならば大丈夫』と思っていたら、実は大変だった」という病気の体験談を募集しています(プライバシーには配慮いたします)。具体的なお話をお持ちの方は、こちらのフォームにお送りください。
「肌あれとかよく起こすんです。だから、いつも診てもらっている皮膚科の先生のところに行きました」と早苗さん。
帰宅したのは昼ごろ。
食事をとったあと、薬を服用。部屋に戻ると眠気が襲ってきた。大学はその日は夏休みで、アルバイトもなかったため、「疲れたし、ちょっと昼寝をしよう」と、横になったという。そのとき手のあたりにわずかなかゆみを感じたが、あまり気にせず、そのまま寝てしまった。
目が覚めると予想外のできごとが…
それから小1時間――。
目が覚めると予想外のできごとが体に起こっていた。全身がかゆくてたまらないのだ。
「手や足先までかゆくて、体を見ると、全体が赤くなっていました。同時に少し息苦しさもあるような気がしました」(早苗さん)
体に起こった異変に驚いた早苗さんは、すぐに隣の部屋にいる母親に状況を伝えた。母親は「服用した薬の影響かもしれない」と、薬を購入した調剤薬局に相談するように助言。薬局に電話をすると薬剤師からも「薬の影響かもしれない」と言われ、「すぐに主治医と相談するように」とうながされた。
クリニックに電話をすると、診てもらった医師からはこう告げられた。
「薬をまずはストップして、様子を見てください」
「わかりました」と返事をして、電話を切った直後のことだった。早苗さんの体は、さらにとんでもない状況に陥った。
そのときの状況を早苗さんはこう話す。
「まず手足が動かせなくなり、立ち上がることもできなくなりました。ソファに横たわっていないと、耐えられない状態という感じでした」
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