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将来の骨折を防ぐ「骨ケア」30~40代から必要な訳 上皇后美智子さまも10月に右大腿骨上部を骨折

東洋経済オンライン / 2024年11月18日 9時40分

「ウォーキングは週3回、それぞれ6000~8000歩以上だとよいといわれています。ポイントは、“息が切れるぐらいの速さで歩くこと”。散歩感覚でウォーキングしてもあまり意味がありません。当院では、少し速く歩くのとゆっくり歩くのを繰り返す『インターバル速歩』を勧めています」(矢吹医師)

誰でもできる筋肉トレーニングは、スクワットやプランク(うつ伏せになって腕とつま先で、浮かした体を支えるトレーニング)、腹筋など。筋肉トレーニングによって筋肉がつき、体をしっかり支えられるようになれば、バランス感覚も向上して転倒防止にもつながる。

有酸素運動と筋肉トレーニングは、それぞれを交互に毎日行うとよいそうだ。

もう1つ。骨は荷重による刺激が加わると丈夫になる特性を持っているため、かかと落としや縄跳びもお勧めという。

骨密度が若い女性の平均値の70%未満で、骨粗鬆症と診断を受けた場合は、先に挙げた日々の骨ケアに薬物療法が加わることとなる。

治療薬はその人によってさまざまだが、骨が壊れるのを防ぐ薬や、骨を作る薬、ビタミンDなどがある。飲み薬のほか、注射薬もあり、患者の状況や病気の進行などに応じて使い分ける。

将来の骨折を予防するために

「骨密度は薬を飲んでもすぐにワーッと上がるものではないので、モチベーションがなかなか保てず、治療を途中でやめてしまう患者さんも多いです。でも、骨密度はそもそも年齢とともに下がっていくもの。骨密度の低下を食い止めているだけで素晴らしいのです。

骨粗鬆症治療の最終目的は、将来の骨折を予防すること。ぜひゆったりとした気持ちで治療を続けていきましょう」(矢吹医師)

骨は一生もの。まずは自分の骨密度を知り、将来の骨密度の低下を食い止め、骨折を防いで健康に過ごしたい。

井上 志津:ライター

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