「6浪で医学部合格」秀才だった彼女の選択の過ち【再配信】 受験科目の選択ミスが人生を大きく左右した
東洋経済オンライン / 2024年11月18日 14時0分
この時期、周囲から「女性の立場で浪人をすることについて意見されたこともありました」と言うR.さん。親は大学生という立場を与えることで、浪人することに対する社会の目線からもR.さんを守ってくれたのでしょう。彼女は「親が性別で人の選択の幅を狭める判断をする人ではなく、背中を押してくれる人だったからこそ救われました」と言います。
こうして、R.さんは2浪目から仮面浪人を始めます。
もうこの時期には、R.さんは自分が2~3浪では合格できないことを覚悟していました。それでも、浪人生活を頑張れたのは、幼少期からの目標の存在が大きかったと言います。
「小さい頃からの夢でしたから、やるしかなかったんです。大学に在学しているといっても、将来的に医学部に行くことしか考えていませんでした。一般企業に就職することを考えたとき、2浪以上の年齢だと、どこに行っても新卒採用は厳しいから、逆にもう、開き直って勉強しようと思いました」
結局、2浪目の仮面浪人でも結果を残せなかったR.さん。何年も結果を出せないまま落ちてしまった理由を彼女はこう分析します。
「意固地になってしまったためだと思います。自分のやり方に固執して、弱点を埋める作業を怠りました。また、その性格のせいで選択科目を変えられなかったことも大きいですね。物理・地理が合っていないのに時間をかけて勉強してしまい、それでも全然成績が上がらないから苦しかったのです。自分を変えて判断しなければいけないと痛感しました」
そんなR.さんは、3浪目に個別指導をお願いした医大生との出会いが、自分の勉強に対する考え方や姿勢を改め、問題を深く考えて突き詰めようと思うきっかけになったと言います。
「『自分で1問を突き詰めて考えなさい』と言ってくださる先生でした。当時の私は、知識の使い方をわかっていなかったんです。受験で通用するレベルに到達するには、知識だけじゃなくて、突き詰めて思考する段階にまでいくこと。それで初めて受験で通用するレベルにまで達するんだと教わって、学力が伸び始めました」
選択科目も、ようやく5浪目に物理を生物、地理を日本史に変更したことが大きかったと言います。高校1年生からの7年にも及ぶ執着を、勇気を持って投げ捨てたことで、この年から2年続けて2次試験まである医学部の1次試験に合格するようになりました。
ずっとE判定だった大学の医学部に合格
そしてついに6浪目、ようやく悲願であった医学部への合格を果たしたのです。
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