若手社員が突然退職、不条理を解き明かす"カギ" すぐ辞める社員に多い3つのパターンとは
東洋経済オンライン / 2024年11月20日 15時0分
このように組織と個人は、互いに頼り合いながら互いの欲求を満たしていくような関係にある。いわば「車の両輪」のようなもので、どちらかを優先すると真っ直ぐに進めず、蛇行したり、その場をぐるぐると回ったりしてしまう。
働く人に求められるのは、「個人人格」と「組織人格」を適切にチューニングすることである。
「個人人格」ばかりを優先すると、組織が成り立たず、みんなが不幸になる。「組織人格」ばかりを優先すると、「個人人格」において自己犠牲を強いられる可能性がある。
どちらかに偏った状態では健全な組織は成立せず、個々の人生も充実したものにはならない。「どちらか」ではなく「どちらも」大切にできるように、バランスを取る努力や工夫をしてくことが求められる。
すぐ辞める若手社員によく見られる傾向とは?
Z世代の若手社員は、2つの人格をうまくチューニングできていない人が多いように感じる。それゆえ、Bのような突然の離職が頻発するのだと筆者は考えている。
すぐ辞める若手社員によく見られるのが、次の3つのパターンだ。
1. 「モチベーションが上がる仕事をしたい」と言う
このような発言をする若手社員は「個人人格」と「組織人格」を混同している可能性が高い。モチベーションは自分の意志にかかわらず、上がったり下がったりするものである。だが、いくらモチベーションが上がらなくても、舞台上でいい加減な演技をする理由にはならない。
優秀なビジネスパーソンは、モチベーションが下がっているときも、役割演技力に影響が及ばないように自分自身を律することができる。言い換えるなら、「個人人格」の状況によって「組織人格」における言動が左右されないということだ。
「個人人格」と「組織人格」を混同している人はこれができないため、パフォーマンスが安定せず、周囲からも評価されない。それを仕事のせいにしているので、「モチベーションが上がる仕事をしたい」という言葉が出てくるのだ。
マネジャーとしては、「モチベーションの高低で仕事の成果に影響を及ぼすのは、プロとして良いことではない」と指摘するのが健全である。
2. 配属ガチャに一喜一憂する
「希望の部署に配属されなかったから」という理由だけで、簡単に離職する若手社員が増えている。いわゆる「配属ガチャ外れ」だ。
これは、初舞台でセリフのない通行人の役を与えられた新人役者が、「俺は通行人をやるために劇団に入ったんじゃない」と、舞台からの降板を申し出るのと同じことだ。
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