きっかけはリモートワーク? 熟年離婚の「まさか」 夫婦間でも大事なのはやっぱり「ホウレンソウ」
東洋経済オンライン / 2024年11月21日 17時0分
毎年11月22日は「いい夫婦の日」。夫婦やカップルがお互いに感謝を伝え合う日だそうですが、いま日本では長年、連れ添った夫婦が離婚する「熟年離婚」が増加しています。
これまで約4万件の離婚相談を受けてきたという離婚カウンセラーの岡野あつ子さんによると、最近はこれまで多かった「不貞行為や金銭トラブルなど、夫もしくは妻が問題行動を取っている」ケースではなく、「モラルハラスメント(モラハラ)」、および「価値観の相違」の相談がほとんどだそう。
本記事では岡野さんの新著『なぜ「妻の一言」はカチンとくるのか? 夫婦関係を改善する「伝え方」教室』から一部を抜粋し、日常のささいなことですれ違った夫婦の例をお伝えします。
「妻がYouTubeを見てヨガ」で離婚相談
専業主婦(あるいは家事を担当する夫)であるパートナーに対して、「家にいるだけで何もしていない」とか、「仕事の話を理解してくれない」などと不満に思う人は多いようです。
【グラフで確認】長年連れ添った夫婦が離婚する割合は増え続けている
中にはこういった不満を爆発させ、離婚を選択する人さえいるのです。
以下は私がかつて相談を受けた「ヨガ離婚」の事例です。相談者は50代の男性、妻も同年代です。
コロナ禍で相談者の男性もリモートワークになりました。ただずっと家にいると、だんだんと妻の行動が気になってきたそうです。
妻はよくYouTubeの動画を見てリビングでヨガをしていたそうですが、その姿を見て相談者の夫は幻滅してしまったそうです。
「俺が会社で必死に働いている間、こいつは気楽に遊んでいて、何もしていない。だから人間として成長が止まっている。そんな人間とこの先も夫婦でい続けていいのだろうか」と思ってしまったのです。
ただ、妻を呼んで話を聞いてみたところ、ヨガをしていたのは、むしろ前向きな行動だったとのこと。コロナ禍で外出を自粛しているので、少しでも運動に励み、ダイエットしようと努力していたと言います。
それに、この妻は週に2日仕事をしていました。しかも英語を使う難しい仕事で、結構しっかりがんばっていたようです。
つまり夫が抱いた「疑惑」は完全に濡れ衣だったのですが、それでも一度そう思い込まれてしまうと、疑惑を晴らすのは簡単ではありません。
それに、夫が不満に思っているのはこれだけではありませんでした。コロナ禍で家にいる時間が長くなり、家の中が常日頃からけっこう汚いことに気がついたのだそうです。
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