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ジャパネット2代目に聞く「地方企業の生きる道」 通販に次ぐ柱としてスポーツ・地域創生に注力

東洋経済オンライン / 2024年11月22日 8時0分

髙田旭人(たかた・あきと)/ジャパネットホールディングス社長兼CEO。1979年長崎県生まれ。東京大学卒業。証券会社を経て、2004年、ジャパネットたかたに入社。15年、ジャパネットホールディングス(HD)社長に就任。2023年から「V・ファーレン長崎」の社長も兼任。現在はHDを含む8社の代表を務める(撮影:梅谷秀司)

日本経済活性化の起爆剤として「中堅企業」への関心が高まっている。政府も2024年を「中堅企業元年」と銘打ち、法改正も行って支援態勢を整えた。『週刊東洋経済』11月23日号の第1特集は「すごい中堅企業100」だ。誰もが知る有名企業から意外なニッチトップ企業まで日本各地で飛躍している中堅企業の現状や、彼らを取り巻く環境の変化、注目企業ランキングなどをお届けする。

祖業の通信販売事業に次ぐ第2の柱として、スポーツ・地域創生事業に力を入れるジャパネットホールディングス。グループとしては、今や中堅企業を卒業したともいえる企業規模へと成長を果たした、その原動力とは何か。髙田旭人社長兼CEOに聞いた。

いいと思ったらまずやってみる

──新しい事業の要である「長崎スタジアムシティ」が、構想から7年越しでついに開業しました。

【写真】新しい事業の要「長崎スタジアムシティ」

Jリーグ「V・ファーレン長崎」やBリーグ「長崎ヴェルカ」の公式戦はほぼ満員で、ホテルなども含めて視察に訪れた方から「感動しました」などの言葉をいただいている。私は「黒字化したら褒めてください」と言っている(笑)。

──民設民営という決断をし、1000億円もの資金を投じました。

この7年間、毎週のように会議をしてきたが、その場で意思決定できるスピード感は民設民営でなければ不可能だ。父の代から大切にしている「いいと思ったらまずやってみる」企業文化との相性もいい。決断は間違いでなかった。

しかし、赤字続きであればボランティアでしかない。27年をかけて1000億円を回収していく。逆に利益を出せれば、地域創生を行政に頼らずに民間が担えることを証明できる。日本の未来のためにも絶対に成功させたい。

ただし、長崎が盛り上がるには当社だけでなく、地域の人や企業も変わらないといけない。私たちは地域のハブとして長崎にいい流れをつくっていきたいし、その手応えはある。

──ジャパネットが中小企業から中堅企業へと順調に成長してきた要因をどう考えていますか。

父が経営していた頃の当社は、父がすべての事業を掌握する「文鎮型」の組織だった。中小企業の頃はそれでもよかったが、組織の規模が拡大するとトップダウンでは長続きしないと感じていた。また、私には父ほどのカリスマ性がない分、社員に任せる必要があった。そこでホールディングス制を導入し、権限を各社の社長と役員に8割方持たせ、私は修正にだけ関与する関係性を構築した。

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