名前が話題の台湾野球選手、本来の読み方に想い 名前を取り戻してきた「台湾原住民族」の歴史
東洋経済オンライン / 2024年11月22日 16時0分
ギリギラウ選手は、社会の壁に毅然と立ち向かっている。2012年からアメリカでプレーしていた際には、2019年にマイナーリーグでの登録名を「giljegiljaw kungkuan」に変更。アメリカでプレーした台湾原住民族選手の中で、初めて伝統名で登録したのはギリギラウ選手である。
そして2021年に台湾に帰国し、台湾プロ野球史上初の伝統名で登録する選手となった。台湾のプロ野球チームでの入団式では「(当て字である)漢字で登録しているが、パイワン語の発音で私を呼んでください」とファンにお願いしていた。
2023年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)予選でホームランを放って活躍した際に、台湾メディアも今回の日本社会と同様に「珍しい名前」、「読み方に困惑」と取り上げた。報道に対して、ギリギラウ選手の父親は「中国語の当て字ではなく、パイワン語で息子の名前を呼んでほしい。ギリギラウ・コンクアンは美しい名前ではないか、ぜひ母語で読んでほしい。いつもメディアの皆様にそうお願いしている」と訴えた。
ギリギラウ選手は決してひとりぼっちではない。彼が所属する台湾の味全ドラゴンズのチームメートの中にも、Villian Isnangkuan(ヴィリャン イスナンクァン)選手やMasegesege Abalrini(マスグスグ アバレイニ)選手、Namoh Iyang(ナモー イヤン)選手など、伝統名でプレーする原住民族選手は増えている。ありのままの伝統名を背負ってプレーする選手たちの姿は、多くの原住民族に勇気と誇りをもたらしているだろう。
許 仁碩:北海道大学メディア・コミュニケーション研究院助教
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