わが子の潜在能力を十分に高める、言葉のかけ方 前向きな行動を起こすように促すのがポイント
東洋経済オンライン / 2024年11月23日 15時0分
これは親の役目だと思いますが、学校の先生にも同じことがいえるでしょう。成績ばかり見ていても、潜在能力を伸ばすための役には立ちません。子どもが素直なこころで何を思っているかをしっかり聞き出すことが大事です。
潜在能力を鍛えてよい運を手にするために、子どもには必ず全力投球を要求しなくてはいけません。
黙っていると、どうしても子どもは手を抜きます。子どもに限らず、大人でも同じでしょう。それを防ぐために、何事も全力で立ち向かうようにしつけることが大事です。
それでも手を抜いていると思ったら、「今、手を抜いたでしょう?」と、その場で注意をしてください。目の前でしっかり指摘しないと、子どもはごまかせたと思ってしまいます。
手抜きをするのも、自分を守ろうとする人間の本能です。だから、子どもも別に悪いとは思っていません。逆に言えば、その本能をしっかりコントロールできると、桁違いの潜在能力が発揮できるようになり、大きな成果を残せる人間になるわけです。
常に全力投球をするというのは、大人でも変わらず大事な姿勢です。私の友達に聞いた話ですが、子どもの面倒を見てもらっている先生のところにあいさつに行くとき、正装して行ったそうです。そうしたら先生の態度がまったく違うというのです。
自分の子どものことであっても、正装をしてお願いすることによって、相手もこちらの本気度を感じ取って、きちんと応対してくれるのです。これも同期発火の働きです(同期発火の関連記事:脳科学で実証、潜在能力を引き出す"魔法の4文字")。
だから、服装から本気度を示せ、ということです。
私は、それを母親にやられたので効きました。母は、私が課題をクリアするたびに正装にしてやってきて、「よくやってくれました」と言って手をついてお辞儀をしていました。それを見て、一層頑張らなくては、という気持ちになりました。
すでにお話ししましたが、戦争中には子どもは国の宝と言われていました。「産めよ増やせよ」という時代で、大抵一家に4、5人の子どもがいました。8番目に生まれた子どもだから八郎という名前をつけられた人もいました。今とは逆に、子どもの数が多かったのです。
その時代に、母は「私はあなたしか産めないので、あなた1人で4人分頑張るんだよ」と言って、手をついて「お願いします」と頭を下げました。
これは私を育てた魔法の言葉だと思っています。そう言われた私は子どもながらに頑張ろうと思いました。以来、全力投球が習性になり、常に潜在能力を発揮できるような体質になっていったのです。
「そうだね」は気持ちを込めて
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