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日本で始まる「共同親権」に感じるこれだけの不安 育児の同意、争いの継続…共同親権がもめるワケ

東洋経済オンライン / 2024年11月24日 11時0分

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家事や育児、介護などの分担をめぐって、家族間で言い争いが増えて、一緒にいて心地よい存在だったはずの家族が、いつのまにか「つかれる存在」になってしまった……そんな話を聞くことがよくあります。

どうして自分の不満が家族に伝わらないの? どうしたら「つかれない家族」になれるの? そんなふうに「つかれる家族」と「つかれない家族」を考察するこの連載。

今回から数回に分けて、「つかれる家族」の行き着く形のひとつでもある「別居・離婚家庭」について描いていきます。キーワードは、今年5月に国会で可決された「共同親権」。今回は「共同親権問題がモメるワケ」について、家族法学者の小川富之先生に伺いました。

共同親権を理解するのは難しい

推進(賛成)派と慎重(反対)派

共同親権は国によって内容が違う

日本の「親権」とは

育児についても親権者2人の同意が必要になる

同意が必要ないこと、同意が必要になること

「単独」か「共同」か決める

人手不足の家庭裁判所

「子どもに会えなくなった!」と主張する人たちの実情

共同親権が導入される背景

共同親権は、離婚しても協力して育児すること

共同親権(親権含む民法改正案の概要はこちら)をめぐっては、当事者はもちろん、議員・行政・法律関係者なども推進(賛成)派と慎重(反対)派に分かれて論争を繰り広げてきました。その論争はマンガに描いた以外にもまだまだあります。

たとえば、推進派は「離婚時に親権をめぐる争いがなくなる」と主張し、慎重派は「共同親権合意を盾にされたら離婚できなくなる」と主張します。DV・虐待問題については、推進派は「単独親権下での再婚相手からの虐待を防げる」、慎重派は「共同親権だと、離婚してもDV・虐待や紛争が継続する」。育児については、推進派は「共同親権になれば同居親の育児の負担が減る」、慎重派は「普段から育児に関わっていない人に口だけ出されたら、かえって負担が増える」。養育費については、推進派は「共同親権のほうが養育費の支払い率は上がる」、慎重派は「共同親権になることで、養育費の金額が減って同居親の経済状況が悪化する可能性がある。世帯年収が合算されるので、高等教育就学支援や児童手当などの支給を受けられなくなる可能性も出てくる」。

このように、あらゆる対立は平行線で交わるところがありません。また、独身の女性からは「何かあった場合に逃げられなくなると思うと、結婚や出産を躊躇する」という声も聞きました。

共同親権は、紛争や暴力を継続させる可能性がある

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