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「愚痴は無駄だ」と言う人へ"人生が変わる真実" 生産性を落としかねない愚痴も、対応の仕方次第

東洋経済オンライン / 2024年11月25日 19時0分

奥さんの愚痴は共感するだけでいい。ところが、これが難しい(写真:siro46/PIXTA)

研修の企画・講師を年200回、トータル2000社、累計2万人を超えるビジネスリーダーの組織づくりに関わってきた組織開発コンサルタント・高野俊一氏による連載「上司1年目は“仕組み”を使え!」。エンターテインメントコンテンツのポータルサイト「アルファポリス」とのコラボによりお届けする。

奥さんの愚痴、共感を示せというけれど

以前、奥さんの愚痴は共感するだけでいい、と書きました。

老後の「ギスギス夫婦」と「おだやか夫婦」の決定差

ところが、これが難しい。

ビジネスの世界では、「知っていることとできることは違う」とよく言いますが、奥さんの愚痴に共感を示すことほど、わかっていてもできないことはないように思います。

男性にとって、奥さんの愚痴に共感を示すのが簡単でないことには理由があります。

男性は問題解決を好む傾向があり、他人の愚痴を聞くと適切な対処法を考えたくなってしまうのです。

しかし、女性が愚痴を吐くのは、「ただ言いたいだけ」。解決を求めているわけではありません。

だからこそ、共感さえしていればいいのですが、聞く側の男性はそこでとどまることができません。どうしても具体的な解決策を考えてしまうのです。

結果として、毎日、奥さんの愚痴を聞かされる男性は、口に出していなかったとしても、その解決策を考えてしまい、それにエネルギーが割かれ、疲労が蓄積してしまう。

このような、入り組んだ事情があるために、ただ愚痴に共感を示すだけといえど、なかなか困難なことなのです。

衝撃の事実「腐ったリンゴの実験」

ちょっと視点を変えてみます。ビジネスの世界において、何気ない愚痴が、組織全体に悪影響が与えるというデータがあります。

アメリカのIT企業を対象に、腐ったリンゴの実験と呼ばれる大規模な調査が行われました。これは、ビジネスチームの集団に、あえて「腐ったリンゴ」を演じてもらう人を送り込んだ場合、どのくらい生産性が落ちるのかを調べたものです。

具体的には、腐ったリンゴとして以下の3つのタイプが設定されました。

① 反対する人(攻撃的・反抗的)

② 怠ける人(サボり、ごまかし)

③ 周囲を暗くする人(愚痴る、嘆く)

この3タイプのどれかを演じてもらったわけですが、実際にチームの生産性を40%落としたタイプがあります。それはどのタイプだと思いますか?

たとえば10人のチームに1人送り込んで、その人が機能しなかっただけであれば、生産性は10%も落ちません。しかし、40%落としたということは、他の人にも悪影響を及ぼしたということです。

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