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6つある「年収の壁」手取りに最も響く壁はどれ? 社会保険料の負担額を抑えられるかがポイント

東洋経済オンライン / 2024年11月25日 9時0分

厚生労働省の令和2年就労条件総合調査によると、扶養手当等の制度は約69%の企業が設けていますが、その年収基準は103万円以下や130万円以下とされていることが多いためです。同調査では手当の支給額が平均月1万7600円という結果もありますので、手当が受け取れなくなると扶養している人の年収が20万円以上減ってしまう可能性もあります。

税金に加えて社会保険料の負担が生じる壁が、「③106万円の壁」です。現在は勤務先の企業規模が51人以上で、給与年収106万円相当(所定内賃金が月額8.8万円以上)以上、所定労働時間が週20時間以上などの要件に該当すると、勤務先で社会保険に加入することになっています(学生は除く)。

年収106万円未満などで勤務先の社会保険に加入しない場合には、自分で国民健康保険・国民年金に加入するか、家族の扶養に入ってその社会保険の被扶養者になる方法があります。

扶養に入っていれば、自分で健康保険料の負担はありません。会社員・公務員の妻が扶養に入るなどの場合には、国民年金の第3号被保険者となるため国民年金保険料の負担もありません。

これが、自分の勤務先で社会保険に加入すると、給与から健康保険料と厚生年金保険料(合わせて社会保険料)が天引きされます。現況、保険料は事業主と折半のため、国民健康保険・国民年金に加入していた人には負担減になることがありますが、扶養に入っていた人には負担増になります。

社会保険料の負担額は大きい

社会保険料の負担額は「103万円の壁」による税金の負担に比べて大きいため、手取り収入を気にしながらパートやアルバイトとして働いている人にとって、「106万円の壁」は重要なポイントとなります。

ただ、社会保険の加入要件は近年見直しが相次いでいて、厚生労働省は来年の通常国会でも見直し案を提示する予定です。企業規模要件は、他の要件に優先して撤廃される見通しです。また、年収要件も撤廃に向けて議論が進んでいます。

実現すれば年収額にかかわらず社会保険に加入することになりますが、現在は労使折半となっている保険料の負担割合を、企業側が多く負担するなど変えられるようにする案も挙がっています。

会社員・公務員の配偶者や子どもで、年収が130万円未満であれば、社会保険の扶養に入ることができます。これが「④130万円の壁」です。上記の「106万円の壁」とは何が違うのでしょうか?

「106万円の壁」によりパート・アルバイト先で社会保険の加入対象となればそちらが優先されますが、要件に該当しないケースもあります。その際は、夫や親などの勤務先の社会保険に被扶養者として加入します。被扶養者には、社会保険料の負担はありません。

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