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みずほ「楽天カードに出資」に透ける将来への布石 サービス協業や業務連携だけにとどまらない

東洋経済オンライン / 2024年11月25日 7時30分

共同記者会見を開いた楽天グループ・三木谷浩史会長兼社長(左)と、みずほフィナンシャルグループ・木原正裕社長(撮影:今井康一)

みずほフィナンシャルグループ(FG)のリテール金融戦略に、強力なパートナーが加わった。

楽天カードとの資本業務提携の検討を進めていたみずほFGは、同社に14.99%出資することを決めた。楽天カード株の取得額は約1650億円。12月1日に株式が譲渡される。

協業の第1弾として、12月3日から提携クレジットカードの「みずほ楽天カード」を発行する。利用額の引き落とし口座をみずほ銀行に限定し、カード利用で楽天ポイントが貯まる。利用状況に応じてATM手数料や振込手数料の優遇も受けられる。

両者は11月14日に記者会見を開き、みずほFGの木原正裕社長は「(連携で)いろんなことができる」と今後の提携の広がりを強調。楽天グループの三木谷浩史会長兼社長も「協業には大きなシナジーがある」と提携の意義を語った。

UCカードとオリコも加わる

業務提携の枠組みには、みずほ銀行の100%子会社ユーシー(UC)カードと、同行が49%出資するオリエントコーポレーションも加わる。各社のサービスや強みを融合させることで「いろいろな形の協業を考えている」(みずほFGの木原社長)とし、各種の施策を今後打ち出す構えだ。

すでに検討を始めている具体的な提携内容も示された。その1つがポイントサービスの連携。みずほFGが来春に予定している「みずほマイレージクラブ」の刷新に合わせて、銀行取引と楽天ポイントとの連携をスタートさせる方針だ。

オリコが提供する独自の性能規定与信を用いた支払いサービス「デジタル分割払い」を、楽天市場の決済手段として導入することも協議する。

オリコは昨年、経済産業省から「認定包括信用購入あっせん業者」の認定を取得。割賦販売法で定められた「支払い可能見込み額調査」ではなく、独自のAI(人工知能)与信でクレジット限度額を設定できるようになった。これにより30分程度かかっていた審査時間は60秒に短縮された。

家計の支払い能力などをより精緻に審査するため、クレジット限度額も大きくなりやすい。オリコでは新規カードに占める限度額100万円以上の構成比増加率が140%になった。

楽天市場に新たな与信手法が投入されることで利用者の購買力が高まり、オリコのデジタル分割払いの利用拡大にもつながるとみられる。

新連合にライバル警戒

これまで楽天カードが発行してこなかった法人カードでも連携する。この分野に強みを持つUCカードやオリコのノウハウを活用し、楽天市場などの加盟店に新たな法人カードを発行する。ほかにもバックオフィス業務や加盟店管理(アクワイアリング)業務などで連携を図る。

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