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「会社がつらい」同期トップ入社の彼に起こった事 「発達障害グレーゾーン」の人たちの特徴とは?

東洋経済オンライン / 2024年11月26日 14時0分

近年、社会に出てから初めて発達障害を疑い、精神科や心療内科を受診する人が増えています。企業でカウンセリングをしていても、「自分は発達障害かもしれない」という悩みを抱えて、相談にくる人が少なくありません。

メディアなどで頻繁に発達障害が取り上げられることも影響しているでしょうが、社会構造が複雑になり、適応できない場面が増えてきたことも一因ではないかと思われます。

筆者のところに発達障害を疑ってカウンセリングにくる人は、比較的若い世代が多いように感じます。

学生時代は環境に適応できていたけれど、社会に出てから適応が難しくなり、ネットなどで調べると発達障害の特性が自分に当てはまるので心配になったという人が多いです。

先述しましたが、発達障害は脳機能の発達に関する障害で、先天的なものとされていることから、気づいていなかっただけで、社会人になって初めて発達障害を発症することはありません。グレーゾーンはなおさら、社会に出てから発覚することが多いといえます。

「同期トップで入社したのに……」と悩むAさん

Aさん(男性20代)は、難関大学を卒業し、入社時の筆記試験で同期トップの成績を修めて、コンサルティング会社に入社しました。先輩社員と一緒にクライアント業務を担当。財務分析や市場動向調査などを担当し、わかりやすい資料を作ると社内外でも評価されていました。

しかし、研修期間が終了し、クライアント業務を主担当として行うようになると、プレゼン資料作成に時間を取られ、肝心のプレゼンに遅刻をしたり、納期に間に合わなくなることが増えてきました。

また、会議でクライアントに説明する立場となったAさんは、クライアントの話をさえぎって、分析結果を延々と話し続けたり、用意した資料について質問をされても、的外れの答えをしたりすることからクレームが入るようにもなりました。

次第に周囲から厳しく指摘されることが増え、Aさんは、コミュニケーションがうまくいかないと悩み出しました。

Aさんの“こだわり”や“空気が読めない”というのは、社会人になって始まったことではありません。学生の頃も、クラスで“浮いている”と感じたことはあるそうですが、成績優秀だったので、特に問題にはなりませんでした。

これまでは彼の“こだわり”によって作成した市場調査の資料などが、社内外でほめられることが多く、会社でも頭脳明晰で、「同期期待の星」などと言われていたのです。

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