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「会社がつらい」同期トップ入社の彼に起こった事 「発達障害グレーゾーン」の人たちの特徴とは?

東洋経済オンライン / 2024年11月26日 14時0分

しかし、最近では、クライアントから「話が通じないので担当を変えてほしい」と言われたり、同僚から「分析だけでなくて、プレゼンの仕方を勉強したほうがいいんじゃないか」などと指摘されて、自信を喪失し、会社に行くのがつらいと思うようになってきたそうです。

「傾向がある」との診断結果

Aさんは自分の特性をネットで調べ、発達障害の1つである“自閉スペクトラム症”に行きつきました。そして、「自分は自閉スペクトラム症ではないか」と筆者に相談にきたのですが、その後受診した精神科では「その傾向がある」と言われました。

自閉スペクトラム症の特徴としては、言語以外のメッセージであるメタメッセージ(表情や声色、ジェスチャーなど)が受け取れない、固執傾向(こだわりが強い)、相手の立場に立つといった想像力が働きにくいなどがあります。

言葉によるコミュニケーションは、言葉自体によって20%、メタメッセージによって80%伝えられるといわれており、メタメッセージの読み取りがうまくいかないと。“空気が読めない”ということになってしまいます。

近年、Aさんのように社会に出て初めて、この障害(グレーゾーンを含む)が自分にあることがわかったという人が増えているのです。

発達障害に関して、カウンセラーである筆者のところに相談にくる人は、本人が「自分は発達障害かもしれない」と思っているパターンのほか、「部下が発達障害かもしれない」と、部下の発達障害を疑う上司も少なくありません。

後者の場合、上司は、部下の仕事ぶりや言動に悩まされていることが多く、すでに両者の人間関係に問題を抱えている場合がほとんどです。

部下がグレーゾーン?と思ったら

筆者は、上司のメンタルケアなども視野に入れながら、どのような言動から部下の発達障害を疑うにいたったのか、そのエピソードをていねいに聞くようにしています。それと同時に、部下を発達障害と決めつけているような上司に対しては、疾病性(診断名)にこだわるのではなく、事例性(仕事に出ている影響)で検討していくよう促すことを心がけています。

そのうえで、「どのようなことで具体的に困っているのか」「上司や同僚でフォローできそうなことはあるか」について話し合うようにしています。

当然ですが、上司の話だけで部下が発達障害か否かをジャッジすることは不可能で、そもそもASDとADHDの診断基準ではカテゴリーが重なり合っていたりすることもあるため、医学的な分類が無意味というケースもあります。

ただ、発達障害についてネットなどで調べ、少し知識がある上司は、部下の特異な言動を取り上げて「こんなことがあったのでADHDだと思う」とか「記憶力だけは抜群なのでASDだと思う」など、安易に診断名と結びつけるような発言も少なくありません。

さらに、この考えを本人に伝えたという上司もいましたが、これはもってのほかです。不用意に本人を傷つける恐れがあるだけでなく、ハラスメントに該当する可能性も高いので注意が必要です。

舟木 彩乃:ストレスマネジメント専門家

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