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「レプリコンワクチンのデマに徹底的に対抗する」 不安に対しMeiji Seika ファルマ社長が答えた

東洋経済オンライン / 2024年11月26日 7時50分

日本人はどうしても「100%の安全」を求めたいのかもしれない。だが基本的に、医療は一定のリスクを伴う。コスタイベがまるっきり安全だというつもりはまったくない。

残念ながら、重篤な副反応が起きる確率もまれにあるのは事実。いくら確率が低いといっても、起きた本人にとっては大変なことだ。だからこそ、正確な情報を伝える必要がある。

医薬品の副作用で亡くなる人も毎年一定数いる。だからといって「医薬品は必要ない」という声は出ない。医薬品は、亡くなる可能性があった人を救っているからだ。

――レプリコンワクチンに対して、シェディング(感染性を持ったウイルスが体内で増殖し、他人にうつすこと)の危険性を主張する人もいます。

確かに、ウイルスを弱毒化したものを体内に投与する「生ワクチン」では、シェディングが起きることがある。何らかの理由で弱毒したワクチンが体内で増え、まれに他人にうつしてしまうからだ。

しかしmRNAはウイルスではないため、シェディングは起こりえない。証明しろといわれるが、ないものをどう証明すればいいのか。普通の医師ならシェディングはないと知っている。先日、約3000人の医師に対して説明会を開いたが、シェディングについての質問は1つもなかった。

――「レプリコンワクチンが承認されているのは日本だけだから不安」との主張にはどう答えますか?

世界に先駆けて、レプリコンワクチンが日本で承認されたことには達成感があったし、評価されると思っていた。「なんで日本でしか承認されないんだ」といわれ、大変悲しい思いだ。今度、新聞に「日本で一番はダメですか」という広告でも出そうかと思っている。

現在、オーストラリアの大手ワクチンメーカー・CSLセキュラス社が欧州でレプリコンワクチンの承認申請をしている。早ければ年内、遅くても来年頭には承認されるという話だ。今後、アメリカでも申請されるだろう。

打つべきだが、一定の率で重い副反応はある

――Meiji Seika ファルマの社員を名乗る、mRNAワクチンへの不安を主張する書籍が話題になっています。

誰が書いたかわからない書籍の情報には注意してほしい。誰かがいった内容が本当かどうかという話よりも、医学や医療介入の情報を正確に伝えるべきだ。一般の方はまったくわからないのだから。

――不安を感じている人に対して、寄り添ったコミュニケーションも必要ではないですか?

いや、ワクチンを打つべきだとちゃんと伝える必要がある。「打つ、打たないは本人の自由です」だと、リスクを超えて打つ人は誰もいなくなる。「打つべきです、ただ、一定の率で重い副反応はありますよ」として、その後はご自身で考えてもらう。

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