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コロナ新しい変異株「XEC株」はどんなウイルスか 「冬の対策とワクチン接種の是非」を医師が解説

東洋経済オンライン / 2024年11月26日 9時0分

7月3日にはまた、カリフォルニア大学サンフランシスコ校の研究チームが、感染から約2年が経過したコロナ後遺症患者の腸から複製可能(生きていることを意味する)なコロナウイルスRNAを検出したと報告した。

円形脱毛症などの合併症も発生

コロナは単純な風邪とは違う。たとえウイルスが消えても、免疫異常は長期にわたって続く。このような状態は、さまざまな合併症を引き起こす。

3月5日、マサチューセッツ工科大学と韓国の京畿大学校を中心とした研究チームは、日本と韓国の約2200万人のデータを分析し、コロナ感染者は非感染者と比べて、ある自己免疫性疾患の発症リスクが、1.25倍増加すると『アメリカ内科学会誌』で報告した。リスクは、感染が重症で長期化するほど上がるという。

1月には韓国の全北大学校医科大学の研究チームが、コロナ感染者は円形脱毛症のリスクが1.82倍高まるとの報告を『アメリカ医師会誌(JAMA)皮膚科版』で発表した。円形脱毛症は典型的な免疫疾患だ。コロナ感染に伴って増えてもおかしくない。

話をコロナ後遺症に戻そう。

長期感染が関係しているのなら、治療薬が有効かもしれない。この問題についても、いくつかの研究が発表されている。

1月4日、カリフォルニア大学サンフランシスコ校の研究チームが、『臨床ウイルス学雑誌』に発表したコロナ感染者4684人を対象とした研究によれば、治療薬パキロビッドを服用した988人と服用しなかった3696人を比較したところ、後遺症の発症率は16%と14%で大差なかった。

同様の研究成果は、スタンフォード大学を中心とした研究チームからも報告されている。治療薬で後遺症を予防することは難しそうだ。

ワクチンはどうだろうか。こちらは有望そうだ。これまでの研究で、後遺症のリスクを大幅に下げることがわかっている。

前述したセントルイス退役軍人研究教育財団らの研究チームが行った研究では、ワクチンを打っていない人と比べて、デルタ株では44%、オミクロン株では55%後遺症の発症を減らしていた。

1月11日、オックスフォード大学が『ランセット呼吸器内科版』に発表した研究でも、イギリス、スペイン、エストニアの約2000万人のデータを解析したところ、ワクチン接種により後遺症の発症頻度が30~50%程度減少していたことがわかった。

ワクチンの追加接種は必要か?

では、何回、ワクチンを打てばいいのか。

11月24日、中国人民解放軍空軍医療センターの研究チームが、コロナに罹患した透析患者115人を対象とした研究を『国際泌尿器腎臓病学雑誌』に発表。それによれば、60人(52.2%)が後遺症を発症していたが、そのリスクは3回以上のワクチン接種で90%低減していた。

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