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富裕層が日本株を「今、面白い」と注目している訳 個人投資家は中小型株投資ではプロよりも有利

東洋経済オンライン / 2024年11月27日 8時30分

(撮影:梅谷秀司)

富裕層のお金に対する接し方や考え方などを知ることは、自分自身の金融リテラシーを高めるためにも役立ちます。本稿では『億までの人 億からの人 ゴールドマン・サックス勤続17年の投資家が明かす「兆人」のマインド』より一部抜粋・再構成のうえ、日本株への投資について解説します。

日本の株式市場は割安放置の状態

人気の投資としてS&P500やオルカンが注目されています。日本以外の投資、とくに「これまで順調に上がっているアメリカに投資をしよう」「世界中の株式の分散投資をしよう」という流れがある一方で、「いやいや、日本だって今、面白いマーケットになっていますよ」という富裕層たちの意見もあります。

日本の株式マーケットは20年以上の長きに渡り停滞していることを背景に、「だから今こそS&P500・オルカン投資」となっていたわけですが、言い方を変えると日本の株式マーケットは「安い」状態のまま放置されてきた、ともいえます。

さまざまな理由がありますが、企業が株価や株主を意識した経営をおこなわず、透明なコーポレートガバナンスが機能していない、企業が企業の株を持ち合っていることで市場に出回らない、本業に無関係な不動産などの資産を抱えたまま売らないため資産効率・資本効率が悪い(いわゆるPBR問題)などです。

結果として、諸外国と比較して株式市場の透明性や健全性が低いということを問題視して、東京証券取引所による「『資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応』」などをはじめさまざまな対策をとっているのが現状です。

投資は相対的なものなので、「S&P500やオルカン」のように「今も健全かもしれないが、今後成長していく(株価が上がる)可能性」にかけるだけでなく「今が圧倒的に安いので、その状況が改善される(株価が上がる)」という、軸があることを理解しておく必要があります。

アメリカ株の成長性は否定しないものの、日本株が今は割安になっているということについて注視している、ということです。

それは、富裕層はいつでも次のように両輪で物事を見ているからです。

①成長投資、グロース投資をせよ

②割安投資、バリュー投資をせよ

富裕層はこれらの2つの論調のどちらかを採用するのではなく、両方をとりにいきます。つまり、これから成長が見込める株も買えばいいし、明らかにお買い得ならそちらの株も買えばいい、ということです。

僕自身、日本株も正しく目利きをすれば儲けるチャンスは相応にあると思っています。日本人としてマーケットのことを勉強し、経験値や手腕を身につけたいと考えるなら、いきなり外国株ではなく、言語やルール、文化や風土を熟知している日本という国の株式投資に挑戦してみてもいいのではないでしょうか。

プロ投資に対する幻想の誤解を解く

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