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富裕層が日本株を「今、面白い」と注目している訳 個人投資家は中小型株投資ではプロよりも有利

東洋経済オンライン / 2024年11月27日 8時30分

株式投資に対するよくある誤解のひとつは、「プロでさえ継続して利益を出し続けるのは難しいのに、一般人が勝てるわけがない」というものです。

この誤解を解くには、プロと個人の投資の属性の違いを知ることが必要です。まず、プロと個人では動かすお金の大きさが異なります。個人投資家が1万円を10万円にすることはそれほど難しいことではありませんが、どんなに経験値の高いプロであっても1000億円を1兆円にするのはとても大変です。

またプロ投資では以下の2つの制約があります。

ひとつは、1000億円を運用するようなプロは、「時価総額100億円の
銘柄を買う」ということが、投資規模が小さすぎてやりづらいという点です。これはどういうことかというと、通常はひとつの銘柄を売買する際に、その売買そのもので株価を乱高下させないように注意する必要があります。その会社の株式の1%でも売り買いすると、株価に大きな影響を与えてしまいます。

すると時価総額100億円の会社の1%、1億円がその銘柄で取引できる上限
です。1000億円を運用しようと思ったら、1000社に投資をしなけれ
ばなりません。これは非現実的です。「そんなふうに、いちいち細かく買っている場合じゃない」となるため1000億円を運用する必要があるときは、相応に大きな企業の株を買わざるを得ません。

そのような規模感の大企業の株はよくも悪くも安定していることが多いため、リターンはそこまで高くない、ということがあります。ある程度目利きができるようになった投資家が、中小型株を投資対象としているのは、「プロが参入しにくいから」というのもひとつの理由です。

個人投資家は制約がない

もうひとつは、プロがファンド運用目的で預かった1000億円は、何らかの理由で運用しなければならないということです。苦労して集めたお金を、「いいものがない」「今は機を待つべき」、といった言い訳で何にも投資せず運用しないわけにはいかないのです。

「本当に」自信をもって投資している銘柄以外にも、やや消極的だが投資せざるを得ない銘柄も混ざっていることがあります。こういう投資は損をしないことが大切なので、おのずとリターンも限定的です。

このような制約がかかった投資ポジションが玉石混交になっているのが、プロ投資のリターンなのです。

逆にいえば、個人投資家はプロとは異なり、1銘柄あたりのサイズ、運用したい金額、売買タイミングなどに何の制約もありません。本当に勝算が見込めるものだけを選りすぐって投資もできますし、より小さい規模の株式を丁寧にさらっていくことで、勝算が見込めるということでもあります。

日本の中小型株を個別に丁寧に研究していくことは、プロよりも個人投資家のほうが有利に働く投資ではないでしょうか。

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著者・田中渓氏と猫組長(菅原潮)氏が対談
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参加費:5000円

田中 渓:投資家

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